
世界各国は国連安全保障理事会(安保理)の緊急会合で、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に対し、ガザ地区全面占領計画を撤回するよう求めた。米国は、この要求がパレスチナ武装組織ハマスの利益になる恐れがあるとして反対した。
『ユーロニュース』や『BBC』によると、10日(現地時間)、ニューヨークの国連本部で開かれた会合は、イスラエル安全保障内閣が8日にガザ市での占領計画を承認したことを受け、異例の日曜日に開催された。
国連のミロスラフ・イェンチャ事務次長は、計画が「新たな惨事を招き、強制移住や殺害、破壊を引き起こし、住民の苦難を深める危険がある」と警告。国連人道問題調整事務所(OCHA)のラメシュ・ラジャシンガム局長も「ガザ地区の飢餓は差し迫った危機ではなく、すでに明白な飢餓状態だ」と訴えた。
英国のジェームズ・カリウク次席大使は「軍事作戦の拡大は紛争終結に寄与せず、一層の流血を招く」と指摘。フランス、デンマーク、ギリシャ、スロベニアなど多くの国も「人質帰還の保証にはならず、むしろ危険を高める」として撤回を要求した。中国は「集団的懲罰は容認できない」、ロシアも「無謀な敵対行為の深刻化」に懸念を示した。
一方、米国のドロシー・シェイ国連代理大使は「今回の会議は我々の人質救出や戦争終結への努力を損なった」と批判し、「イスラエルには自国の安全保障のための正当な権利がある。ハマスが人質とガザを解放すれば戦争は即日終結する」と述べた。
ネタニヤフ首相は同日、エルサレムでの記者会見で「占領計画は戦争を迅速に終わらせる最善策であり、民間人の安全も保証される」と主張。「目的は占領ではなく、ハマスからの解放だ」とし、ハマス排除後に民間行政を樹立する方針を示した。
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