
OpenAIがイーロン・マスク氏のニューラリンク(Neuralink社)と、人間の脳とコンピューターを接続する分野で競合する新興企業Merge Labsへの投資を計画していることが分かった。
13日(現地時間)、『フィナンシャル・タイムズ』によると、Merge Labsは8億5,000万ドル(約1,250億円)の企業価値で資金調達を進めており、資本の大部分はOpenAIのベンチャー部門から拠出される見込みだという。
OpenAI共同創業者のサム・アルトマン氏は、アレックス・ブラニア氏とともにこのプロジェクトの立ち上げを支援するとされる。
Merge Labsは、最新のAI技術を活用し、実用的な脳とコンピューター・インターフェースの開発を目指す複数のスタートアップの一つだ。
同社はOpenAIや他の投資家から2億5,000万ドル(約370億円)の資金調達を計画しているが、交渉はまだ初期段階にある。
また、Merge Labsは2016年にマスク氏が設立した脳インプラント企業ニューラリンクと直接競合すると見られている。
ニューラリンクは今年初め、90億ドル(約1兆3,200億円)の企業価値評価で6億5,000万ドル(約950億円)を調達。投資家にはセコイア・キャピタル、スライヴ・キャピタル、バイ・キャピタルが名を連ねている。

マスク氏は、ニューラリンクが1日に2人の患者への脳チップ移植に成功し、総移植者数が9人に増加したと強調。この技術が数十億人に恩恵をもたらし、麻痺患者が再び歩けるようになり、認知症患者が愛する人を認識できるようになると述べた。
ニューラリンク共同創業者のDJ・ソ氏は、SNS「X」を通じて、年末までに20件以上のBCI移植実験を完了する計画を明らかにした。
一方、アルトマン氏とマスク氏の対立は長年続いている。
2018年、マスク氏はOpenAIの方針を巡る意見の相違から取締役会を退任。その後、アルトマン氏はマスク氏とドナルド・トランプ大統領との緊張関係を利用し、トランプ大統領の主要な技術同盟者となった。これは、従来民主党寄りと見られていたアルトマン氏にとって重要な転換点となった。
マスク氏はアップルとOpenAIの協力関係強化を批判し、アップルを訴えると脅すこともあった。
アルトマン氏はこれらの主張を退け、マスク氏がSNS「X」を自身の事業宣伝や競合攻撃の道具として利用していると非難している。
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