南シナ海で領有権争いが再燃した。
中国の艦船2隻がフィリピン艦船を追跡する過程で互いに衝突する事故が発生した。

この衝突で中国海警船の船首部分が大きく損傷した。
『ニューヨーク・ポスト』などによると、8月11日(現地時間)、フィリピン沿岸警備隊の艦船が南シナ海スカボロー礁付近で食料や燃料を輸送する任務を遂行していた。
これを確認した中国沿岸警備隊の艦船は直ちに追跡を開始し、威嚇的な行動を取った。
しかし追跡の途中で予想外の事態が発生した。中国海軍艦船が別の中国艦船の側面に衝突し、その様子はフィリピン軍によって記録された。映像には金属音や乗組員の驚く声がはっきりと収められ、損傷した船首部分も確認できた。
衝突後の両国の反応と緊張の高まり
フィリピン沿岸警備隊のジェイ・タリエラ准将は、中国海警船が航行不能に陥ったと説明した。また衝突直後、フィリピン軍が負傷者の治療や物資支援を人道的見地から申し出たが、中国側に拒否されたという。
中国政府はフィリピン艦船との対峙があったことは認めたものの、自国艦船同士の衝突については公式な発表をしていない。この沈黙が国際社会の関心をさらに高めている。
フィリピンのマルコス・ジュニア大統領は「領土を守り、主権を行使する」と強調し、米中対立の中でフィリピンが介入する可能性にも言及した。

南シナ海は中国、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイ、台湾など複数の国が領有権を主張する代表的な国際紛争海域である。豊富な資源と戦略的な位置から長年対立が続いており、今回の衝突事故で地域の緊張は一層高まるとみられる。
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