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「すでに内閣の統制力を失った」…世論も背を向けた!スターマー首相、“完全孤立”でリーダーシップの危機

荒巻俊 アクセス  

キア・スターマー英国首相が低支持率に苦しむ中、就任から16か月で「リーダーシップ危機」に直面している。この動きを主導する人物としてウェス・ストリーティング保健福祉大臣の名前が浮上し、14年ぶりに政権交代を果たした労働党内の深刻な分裂が改めて浮き彫りになったと評価されている。

 出典:AFP通信
 出典:AFP通信

英紙『ガーディアン』などは、匿名の関係者の話として、労働党の下院議員の間で、26日の予算案発表後に党代表を交代させようとする動きがあると報じた。英国は議院内閣制を採用しており、与党の代表が首相を務めるため、党代表の交代は事実上、首相交代を意味する。

関係者によると、予算案が否定的な反応を受け、スターマー首相が辞任に応じない場合、ストリーティング大臣を中心に最大50人の下院議員が集団行動に出る可能性があるという。これに対し、首相の側近は「首相はいかなる党内の挑戦も黙認せず、戦って打ち負かす」と反応した。

一方、ストリーティング大臣はこれに即座に反論。「全くの事実無根だ」と述べ、「首相側近が私を政治的に抑え込もうとしている」と主張した。

ストリーティング大臣は42歳の下院議員で、優れた対外コミュニケーション能力などから次期党代表候補の一人に挙げられている。大臣は「誰が首相の職を守るための争いを煽ることが有益だと考えているのか理解できない」と述べ、「内閣構成員を政治的に攻撃しようとする行為は自己破壊的だ」と指摘した。

英国メディアは、「ストリーティング大臣の発言は、すでにスターマー首相への信頼が低かった労働党議員の不満を反映している」と評している。

一部報道では、こうした匿名報道の背後にスターマー首相の秘書室長モーガン・マクスウィニー氏がいると指摘されている。彼がリーダーシップへの挑戦を事前に阻止するため、報道を主導したとみられるという。

ある労働党議員は『フィナンシャル・タイムズ(FT)』に対し、「モーガン氏は去るべきだ」と語り、「ダウニング街のこうした人物たちが『首相を助けるためのショー』を企画することで、かえって首相の立場を弱めてしまう。我々はまるで政府ごっこをする子どものようだ」と皮肉った。

トニー・ブレア元首相の広報責任者を務めたアラステア・キャンベル氏は、今回の件について「これ以上愚かなことはない」と酷評した。

責任の押し付け合いが激化する中、スターマー首相はこの日の議会質問(PMQ)で「内閣構成員に対するいかなる攻撃も容認しない」と述べ、自身がこうした攻撃を承認したとの主張を否定した。しかし、第一野党・保守党のケミ・ベーデノック代表は「首相はすでに内閣の統制力を失った」と批判した。

世論調査機関「YouGov」の調査によると、回答者の51%が「スターマー首相は労働党代表職を辞任すべきだ」と答え、「首相職を維持すべきだ」と考える回答者はわずか27%にとどまった。

一方、労働党の規定によれば、党所属下院議員の20%の支持署名を集めれば、新党代表選出のための選挙を実施できる。現議席数を基準にすると、81人の労働党議員の賛成があれば党代表の解任を試みることが可能となる。定期総選挙は5年ごとに行われるため、就任16か月での与党党代表への挑戦が浮上するのは異例の事態である。

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