
米国が先月、終戦に関する覚書(MOU)に基づき対イラン海上封鎖を解除した後、1か月足らずでイランが約9,000億円相当の原油を輸出していたことが分かった。輸出分の大半は中国向けだったとみられる。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は18日、反イラン団体「イラン核武装反対連合(UANI)」の集計を引用し、イランが先月中旬から今月中旬までの約1か月間に、約7,000万バレルの原油を輸出したと報じた。原油の総額は最大約60億ドル(約9,755億1,000万円)に上る。イランは原油をマレーシア領海外の東部外港境界(EOPL)まで輸送し、イランと中国の中間地点に当たる同海域で船舶間の積み替えを実施した。その後、他のタンカーに積み替えられた原油は、中国の民間製油所「ティーポット製油所」向けに輸送されたとされる。実際、先月末より原油を満載したイランのタンカーがマレーシア東岸沖の海域に相次いで到着したという。イランは先月下旬、中国向けに約5,000万バレルの原油を輸出しており、これは戦闘前の中国向け月間輸出量に相当する。
2月28日に開戦した米国とイランは、先月17日に終戦に関する覚書を締結した。覚書の第10条には、米国がイラン産原油の販売に対する制裁を猶予する内容が盛り込まれた。イランは覚書の発効に合わせ、ペルシャ湾に停泊するタンカーに積載していた原油を一斉に輸出したとみられる。しかし、米国が今月13日に対イラン海上封鎖を再開したことで、この覚書は事実上、効力を失った。
開戦前、イランは中国向けに日量約140万~150万バレルの原油を輸出しており、原油輸出全体の9割超を中国向けが占めていた。しかし、米国がホルムズ海峡を封鎖して輸出ルートを遮断したことで、イラン経済は深刻な打撃を受けた。物価は急騰し、政権に対する国民の不満も高まっていた。米シンクタンクのアトランティック・カウンシルのジョナサン・パニコフ氏は、「イラン経済は(1979年の)イラン・イスラム革命以来、最悪の状況にある。1ドルであっても極めて重要な意味を持つ状況だ」と指摘した。
米国による海上封鎖で資金源を断たれていたイランにとって、一時的に発効した覚書は経済的な「息継ぎ」の機会となった格好だ。UANIのアナリスト、チャーリー・ブラウン氏は、「封鎖が続いていれば、その圧力は今ごろ本格的に表れていたはずだ」と指摘した。「封鎖解除後、イランは極めて短期間で石油輸出を大幅に増やした」と述べた。















コメント1
磯爺
トランプが選挙への影響を恐れ、焦って海峡に関する取り決めを曖昧にした結果だろう。イスラム教を自己解釈、悪用し覇権主義を続けてきたイランを甘く見たせいだ。フーシ派まで調子に乗り始めた責任は全てトランプにある。プーチンからの指令で現ロシア同様、世界経済を破滅させているのか?(80年代トランプは露にリクルートされた説は米でも支持がある)