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【世界支配の切り札】中国、レアアースで米国に対抗!「国有化」と「供給調整」で世界市場の70%を掌握

織田昌大 アクセス  

引用:depositphotos
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中国は、ドナルド・トランプ米政権との関税戦争で苦戦する他国とは異なり、一歩も譲らない姿勢を見せている。AIチップの輸出再開を勝ち取っただけでなく、90日間の関税休戦まで実現した。その背景には、レアアースという切り札がある。中国は米国よりも遅れてレアアース開発に着手したが、現在では世界のレアアース市場をほぼ掌握している。中国がこの市場を独占できた理由として、国内で蔓延していた違法採掘を一掃し、生産・精製施設を完全に国有化したことが挙げられる。世界最大のレアアース埋蔵量を持つ中国は、全国の生産・精製施設を容易に管理できるようになったことで、世界のレアアース供給を「蛇口」をひねるように調整できる状況にあると分析されている。

レアアース後発の中国…いかにして潜在力を開花させたのか

11日(現地時間)、トランプ大統領は中国との5月に和解した関税戦争の休戦を90日間延長する行政命令に署名した。就任直後に中国に145%の関税を課した後、5月に90日間関税を30%に引き下げることで和解したのに続き、今回も引き下げ期間を延長した。トランプ大統領が中国への関税賦課を強行できないのは、中国がレアアースを活用して米国の関税攻勢を効果的に防いでいるためだ。

実は、中国はレアアース市場で米国より後発だった。レアアースは1949年に米国カリフォルニア州マウンテンパスで初めて発見・採掘され、20世紀後半まで米国が市場を支配していた。しかし1960年代に入り、レアアースの戦略的価値を認識した中国の実業家たちがマウンテンパスを訪れ、レアアースの生産・精製現場を詳しく視察し、埋蔵量が豊富な自国に戻ってレアアース事業を始めた。

当時、電力コストが安かった中国では、レアアースの採掘・加工企業が次々と誕生し、埋蔵量が豊富な南部に集中したこれらの企業が大量のレアアースを国内外に安価で販売し始めた。これにより、中国は1980年代半ばに米国を抜いて世界最大のレアアース生産国となった。一方で中国政府は、無秩序な競争と過剰生産による環境汚染問題の浮上や、多数の違法採掘業者の出現という課題に直面した。

企業との『秘密裏の戦い』でレアアース生産・精製を国有化した中国…蛇口をひねるように供給を調整

これを受け、2002年に中国政府は数十社に上るレアアース企業を統合・国有化し、グローバルな影響力を高めるための「秘密裏の戦い」に乗り出した。当時、中国政府は地方のレアアース鉱山への抜き打ち検査を増やし、密輸されたレアアースを大量に押収し始めた。また、違法に建設された採掘場を強制的に爆破することもあった。こうした措置により、中国は数年のうちに数十社に上るレアアース企業を「ビッグシックス」(Big Six)と呼ばれる6社に統合することに成功した。

この中国のプロジェクトは「5+1キャンペーン」と呼ばれた。比較的企業数が少なく、企業間の同質性が高かった北部に1社のみを残し、中重希土類の埋蔵量が豊富で様々な採掘・精製企業が乱立していた南部の企業を5社に統合したのだ。統合が先に完了した北部では、当初35社あった企業を2012年に北方希土の1社に統合した。

その後、企業数が圧倒的に多く、統合が比較的遅れていた南部でも、2016年に厦門タングステン、広東希土グループ、南方希土、中国希有希土、中国希土の5社に統合することに成功した。2020年代に入り、中国政府はこの6社に対する追加的な買収・合併も進め、現在は事実上、北部の北方希土と南部の中国希土の2社のみが残っている。

中国政府はレアアース国有化プロジェクトを進めると同時に、レアアース輸出量を制限する輸出割当制を導入するなど、世界市場へのレアアース供給を調整し始めた。ビッグシックスを通じて、世界へのレアアース供給と価格を制御できるようになったのだ。その後、これに反発した米国と欧州の企業が世界貿易機関(WTO)に提訴したため、輸出割当制自体は廃止されたが、中国全土のレアアース採掘・精製会社をすべて所有する中国政府は、依然として世界市場を掌握している。

これにより、一部では中国政府が「蛇口」をひねるかのように、世界のレアアース流通を容易に調整できるという指摘も出ている。埋蔵量が豊富な中国が体系的な国有化を通じてレアアースを戦略物資化し、西側諸国が中国の市場支配を「認識しつつも甘んじて受け入れざるを得ない」状況に陥っているのだ。

産業に不可欠なレアアース…中国が世界生産量の70%を掌握

レアアースに分類される鉱物には、軽希土類のランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)と、重希土類のテルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)など17種類がある。これらは電子遷移が容易で安定しているため、電気自動車、再生可能エネルギー、石油化学、スマートフォン、医薬品など様々な産業に不可欠な素材だ。

特に中国は17種類のレアアース元素をすべて保有する唯一の国である。米地質調査所(USGS)によると、2023年現在、世界のレアアース埋蔵量1億1582万トンのうち38%(4400万トン)が中国に埋蔵されている。特に先端軍事兵器製造に不可欠な重希土類の中国の埋蔵量比率は80%に達するとされる。生産量に関しては、昨年の中国のレアアース生産量は27万トンで、世界生産量39万トンの70%近くを占めている。

織田昌大
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