
ロシア・ウクライナ戦争を巡る米ロ首脳のアラスカ会談が15日(現地時間)に合意に至らず、ウクライナの将来が岐路に立たされているとの見方が出ている。今後の米ロ交渉でウクライナが西側の安全保障を得られれば独立国家として存続できるが、そうでなければ領土と主権を失い、ロシアの衛星国に転落する可能性がある。このため、西側がウクライナに提供する安全保障の程度が、今後のウクライナの命運を左右するとの見通しが示されている。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は16日、ウクライナが最小限の領土をロシアに譲り、その代わりに欧州軍のウクライナ駐留など西側の安全保障支援を受けて主権と領土を維持することが「最善の選択」になるだろうと予測した。現在、深刻な兵力不足に直面するウクライナ軍が戦局を覆し、ロシア軍の占領地域を奪還するのは事実上不可能だからだ。
これまで「領土問題は交渉の余地なし」との姿勢を示してきたウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領も、アラスカ会談の2日前となる13日の記者会見で領土に関する議論に前向きな姿勢を示し、一歩譲歩した。WSJは、この状況が1953年の朝鮮戦争終結後の韓国の状況に似ていると指摘した。朝鮮半島は分断されたが、韓国は米軍の保護下に置かれたと述べた。
しかし、西側の安全保障が不十分な場合、最終的にウクライナがロシアの従属国になる結果を招く懸念がある。ウクライナが防衛に不可欠な東部地域を失った状況では、2014年の戦争勃発時や2022年の戦争拡大時のようなロシアの侵攻に再び効果的に対応するのは困難だからだ。WSJは、戦後のウクライナ政府がロシアの軍事的圧力に屈し、国内外でロシアの影響力を認めざるを得なくなる可能性があると分析している。
特に専門家らは、戦争がこのまま続けばウクライナがさらに厳しい状況に追い込まれると分析している。米シンクタンクである「カーネギー国際平和財団」の軍事専門家マイケル・コフマン氏はWSJに対し、「ウクライナ軍は崩壊しないまでも、兵力問題が解決できなければ徐々に消耗していくだろう」と述べ、人口、兵力、経済力で優位に立つロシアの方がウクライナよりも長期戦に耐えられるだろうと予測した。
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