「不正選挙陰謀論」を助長するトランプ大統領、郵便投票廃止を宣言…プーチン大統領の扇動か?
「民主党が前例のない規模で不正を行った」と主張
「アラスカで、プーチン大統領の影響を受けた発言」との分析も

ドナルド・トランプ米大統領は、陰謀論者らが2020年の大統領選挙の不正の根源と指摘した郵便投票制度の廃止を宣言した。
トランプ大統領は現地時間18日、SNS「トゥルース・ソーシャル」において「郵便投票廃止に向けた動きを導く」と述べ、「民主党が前例のないレベルで不正行為を行っているため、我々はこの問題に断固反対し、これを推進していく」と語った。さらに「2026年中間選挙の公正性を担保するための大統領令に署名する」と付け加えた。
トランプ大統領は「民主党は国境開放、男性の女子スポーツ参加、トランスジェンダーや全ての人へのウォーク(woke・進歩的価値観を押し付ける行為を批判する用語)など、極左的な政策により、この根拠のない郵便投票詐欺なしには実質的に当選不可能だ」と主張。「私と共和党は選挙の公正性と正義を取り戻すため、命を懸けて戦う」と強調した。
さらに「完全に問題のある投票機器を用いた郵便投票詐欺は、即刻中止されるべきだ」と述べ、「公正で誠実な選挙、そして強固な国境管理がなければ、国家の形すら失われることを忘れてはならない」と警告した。
米国では、有権者が記入した投票用紙を郵便ポストや投票箱に投入する郵便投票制度が実施されている。トランプ大統領はこれまで、2020年大統領選挙でジョー・バイデン前大統領に敗れた理由として、郵便投票を利用した不正選挙が行われたという陰謀論を主張し、郵便投票に対する否定的な発言を繰り返してきた。
この日、トランプ大統領はホワイトハウスでのウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領との首脳会談の場で、記者団の質問に「郵便投票は腐敗している」と述べ、「郵便投票を廃止するためにあらゆる手段を講じる。我が国の一流弁護士らが作成中の大統領令を通じて、その開始を図る」と答えた。
彼は「カリフォルニアで起こった事態をご存知だろう。あそこは非常に腐敗しており、一部の人々は5、6、7枚もの投票用紙を郵送で受け取ったりする」と述べ、「だからこそ郵便投票は中止されなければならず、共和党が率先してそれに取り組むべきだ」と主張。さらに「選挙区割りの問題よりも、はるかに重大な問題だ。私を信じてほしい」と強調した。
また、トランプ大統領が15日にアラスカで行った首脳会談で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の影響を受けたとの見方もある。トランプ大統領はプーチン大統領との会談直後、『フォックス・ニュース』のインタビューで、プーチン大統領から「郵便投票制度のせいで不正選挙が行われ、そのために敗北した」と告げられたと述べていた。
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