
イスラエルがガザ市占領作戦の準備段階に入った。
20日(現地時間)、『タイムズ・オブ・イスラエル』は、イスラエルのヨアブ・カッツ国防相が前日、国防省高官との会議でガザ市占領に向けたイスラエル国防軍(IDF)の計画を承認したと報じた。
イスラエル軍は20日以降、予備役6万人に段階的な召集命令を出す予定で、このうち約4万~5万人は来月2日までに復帰する見通し。第2次召集は11~12月、第3次召集は2026年2~3月に行われる予定だ。
また、現在勤務中の予備役約2万人は30~40日間、任務期間が延長される。これにより、攻撃作戦時の予備役総数は最大13万人に達するとみられる。ただし全員がガザ市占領作戦に投入されるわけではなく、一部は他の前線の現役部隊と交代配置される。
ガザ市攻撃作戦には計5個師団が参加予定で、歩兵、装甲車、砲兵、戦闘工兵、戦闘支援部隊を備えた12個旅団規模の部隊が含まれる。さらにガザ師団の北部・南部旅団も加わり、合計14個旅団が投入される見通しだ。
今回の作戦は「ギデオンの戦車B」と命名され、実行に先立ちガザ市民に複数段階の避難警告が発せられる。イスラエルはガザ紛争勃発から2周年にあたる10月7日までに住民の避難を求めている。
その後、イスラエル軍はガザ市を包囲し、市街地奥深くまで進撃、ハマスの拠点があるエリアを制圧する計画だ。軍当局によれば、すでに準備段階の作戦が始まっており、ザイトゥーンやジャバリアなど郊外地域で攻撃が進行中だという。
また、ガザ市からの住民100万人強制移住を見据え、南部では人道支援施設の建設が開始された。カッツ国防相は「人道的準備」として救援物資配布所の追加設置や、野戦病院を少なくとも2か所新設する計画も承認した。
カッツ国防相はこの計画を21日にネタニヤフ首相に提出する見込みだが、ハマスとの停戦交渉が妥結した場合には撤回される可能性もある。
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