
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、パレスチナを国家として認める意向を示したフランスのエマニュエル・マクロン大統領に対し「反ユダヤ主義の炎に油を注ぐ行為だ」と批判した。イスラエルの極右議員のビザを取り消したオーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相については「弱腰の政治家」と強く非難した。ガザ地区の飢餓危機が深刻化する中、イスラエルがガザ地区の占領拡大計画を発表し、これを批判する欧米諸国との対立が深まっている。
19日(現地時間)、AFP通信とポリティコなどによると、ネタニヤフ首相は最近マクロン大統領に送った書簡で「パレスチナ国家に関するあなたの主張は外交ではなく宥和策だ。イスラム組織ハマスのテロを助長し、ハマスの人質解放拒否を強化し、フランス内のユダヤ人を脅かす者たちをより大胆にし、反ユダヤ主義を煽る」と述べたという。
これに対しフランス大統領府は声明を発表し、ネタニヤフ首相の発言を「卑劣で間違っている」とし、「フランスは常にユダヤ人市民を保護する」と反論した。また「ユダヤ人コミュニティーへの暴力は許容されない」とし、「今は慎重さと責任が求められる時であり、混乱や操作があってはならない」と述べた。

同日、ネタニヤフ首相はアルバニージー首相に対しても「歴史はアルバニージー首相をイスラエルを裏切り、オーストラリアのユダヤ人を見捨てた弱腰の政治家として記憶するだろう」と述べた。これは前日、オーストラリア政府がイスラエルの極右政治家シムチャ・ロスマン議員の入国ビザを取り消したことへの反応だ。ロスマン議員はネタニヤフ内閣の代表的な極右人物、ベザレル・スモトリッチ財務相と同じ政党に所属している。
ロスマン議員はオーストラリアのユダヤ人協会主催の行事に出席するため訪豪予定だった。しかし、オーストラリアのトニー・バーク内相は「憎悪と分断のメッセージを広めるために来豪するなら、我々はあなたを受け入れたくない」と述べ、彼のビザを取り消した。
これに対し、イスラエルのギドン・サール外相はパレスチナ自治政府(PA)駐在の豪代表団のビザを取り消し、報復した。サール外相は、オーストラリアがパレスチナ国家を認める決定をしただけでなく、イスラエル関係者のビザ発給を拒否したことへの対抗措置だと説明した。
先月、マクロン大統領は来月の国連総会でパレスチナを独立国家として認めると発表した。主要7か国(G7)の中で、パレスチナを国家として認めると公式に宣言したのはフランスが初めてで、続いてカナダ、オーストラリア、マルタなどがパレスチナを国家として認める意向を示した。
英国のキア・スターマー首相は、イスラエルがガザ地区の停戦に同意しなければ、パレスチナを国家として認める可能性があると述べた。現在、193の国連加盟国のうち147か国がパレスチナを主権国家として認めている。

イスラエルに対する国際社会の外交的圧力が高まる中、イスラエルのイスラエル・カッツ国防相がガザ地区北部ガザ市を占領するための軍事作戦を承認したと、20日にイスラエルのメディアが報じた。これはネタニヤフ首相がガザ地区の全面占領計画を発表し、その第一段階として安全保障内閣がガザ市占領計画を提示したことを受けたものだ。
カッツ国防相は今回の作戦を「ギデオンの戦車Ⅱ」と名付け、イスラエル予備軍約6万人に動員令を出すなど、ガザ市攻撃期間中に計13万人の予備軍を投入する計画だと述べた。今回の作戦計画は、ハマスとの停戦交渉が成立した場合には中止される可能性がある。前日、ハマスはエジプトとカタールが提示した新たな交渉案を受け入れると発表した。イスラエルは新たな停戦案を検討中だ。
コメント0