米国は、米企業などを通じてIT人材を雇用させ、北朝鮮の武器開発資金を不正に調達した個人や企業を制裁リストに追加した。

米財務省外国資産管理局(OFAC)は27日、プレスリリースを通じて、北朝鮮人1名、北朝鮮企業2社、さらにロシア人1名を制裁リストに追加したと発表した。
新たな制裁対象は、北朝鮮の▲キム・ウンスン、▲朝鮮新進貿易会社、▲瀋陽金豊利ネットワーク技術有限会社である。ロシア国籍のヴィタリ・セルゲーエヴィチ・アンドレエフもリストに含まれた。
ジョン・ハーリー米財務次官補は「北朝鮮政権は米企業を標的に、海外の北朝鮮IT人材を使ってデータを窃取したり、身代金を要求する詐欺行為を続けている」と指摘。「財務省はこうした手口から米国民を守り、関係者に責任を問うため全力を尽くしている」と述べた。
北朝鮮は、海外のIT人材を通じて得た収益を大量破壊兵器やミサイル開発の資金に充てており、これは米国および国連の制裁に違反する行為である。IT人材は偽造書類や偽装身分を使って、米国などの海外企業に就職しているとされる。特に、一部のIT人材は就職先の企業ネットワークにマルウェアを仕込み、機密情報を窃取したと報じられている。
今回の新たな制裁対象のうち、ロシア国籍のアンドレエフは、以前米国が制裁した北朝鮮の「進栄情報技術開発協力会社」への資金移転を支援していた。「進栄協力会社」は北朝鮮国防省と関連し、海外のIT人材を雇用している。アンドレエフはさらに、ロシア駐在の北朝鮮外交官キム・ウンスンと共に、暗号資産をドルに換金して送金するなど、複数の金融取引にも関与していた。
瀋陽金豊利会社は、中国にある進栄協力会社の偽装企業である。新民貿易会社は北朝鮮国防省傘下の企業で、進栄協力会社が海外に派遣するIT人材に関する指示を直接受ける役割を担っている。
米財務省の制裁により、対象となる個人や企業の米国内資産は凍結される。また、これらの個人や企業が50%以上の株式を保有する企業も自動的に制裁対象となる。許可なく取引を行うことは認められず、違反した場合は民事・刑事の両面で処罰の対象となる。
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