米国の「関税交渉」、依然として摩擦が続く…ブラジルは法廷へ、EUは再検討
ドナルド・トランプ米大統領は連日「関税交渉の成功」を自画自賛している一方で、世界各地で摩擦が生じている。貿易交渉が難航し、世界最高水準の50%関税を課されたブラジルは強硬な対応に出た。すでに貿易和解を文書化したEU(欧州連合)さえ、細部を巡って神経戦を繰り広げている。

27日(現地時間)、『ストレーツ・タイムズ』など海外メディアの報道によると、ブラジルのフェルナンド・アダジ財務相は「(米国の)関税は痛手だが乗り越えられる」と述べ、「国が関税引き下げのためのロビー活動を行うことはできないので、必要であれば裁判所に訴える」と明言した。これは、米国の法廷に立つという意味だ。米国は先月、ブラジルに対する相互関税を10%から50%に引き上げ、大統領令で確定した。ただし、一部の主要輸出品目は除外され、ブラジルの対米輸出品全体の36%にのみ適用される。
トランプ大統領がブラジルに超高率の関税を課した背景のひとつとして、「ブラジルのトランプ」と呼ばれるジャイル・ボルソナロ前大統領のクーデター容疑裁判が挙げられる。これに先立ち、ルーラ・ダ・シルバ大統領は米国との交渉を優先する一方で、うまくいかなければ経済互恵主義法に従うと述べ、報復関税の可能性を示唆していた。
一方、米国とEUはデジタル規制を巡って対立している。ポリティコによれば、ステファン・セジュルネEU繁栄・産業戦略担当上級副委員長は同日、フランスで開催された会議の場で「(米国が)我々のデジタル規制に報復措置を講じるなら、EUは貿易和解を再検討する」と警告した。
これは、25日にトランプ大統領がソーシャルメディアに投稿した内容に対する反応である。彼は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」において「差別的措置を撤廃しない限り、その国の対米輸出品に相当する追加関税を課し、我々が厳格に保護している技術と半導体の輸出制限を導入する」と発言していた。EUのデジタルサービス法(DSA)やデジタル市場法(DMA)などのデジタル規制は、主として米国の巨大テクノロジー企業を対象としている。
さらに、米国の最大貿易相手国であるメキシコは、この日に対中貿易戦争に加わる動きを見せた。ブルームバーグ通信は複数の情報筋を引用し、クラウディア・シェインバウム政権が作成した来年度予算案に、自動車・繊維・プラスチックなど中国製品に対する関税引き上げ計画が含まれていると報じた。これは、低価格の輸出品で市場を席巻する中国からメキシコ企業を保護すると同時に、対中関税を引き上げるよう求めるトランプ政権の執拗な要求に応える狙いがあると解釈される。
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