
かつてエヌビディアの最大顧客のひとつであったアリババグループが、米中の技術競争において新たな局面を迎えている。同社は自社製のシリコンを用いて中国のAIエンジンを稼働させようとしており、これは北京が米国の規制に対して自国技術で応戦する意思を示す動きだ。アリババは30日(現地時間)、米ワシントンが重視する輸出品であり交渉カードとなるエヌビディア製品への依存度を下げるために設計された新型人工知能(AI)チップを公開した。この新型チップは現在テスト段階にあり、AI推論用に設計されている。これは、学習済みモデルがチャット応答や画像認識などの出力を生成する工程を指す。従来の旧型チップとは異なり、新型チップは汎用性が高く、注目すべきはエヌビディアのソフトウェアエコシステムとの互換性を持つ点だ。

これにより、中国のエンジニアは既存のプログラムをゼロから書き直すことなく移植できるようになる。電子商取引と並ぶ第二の成長エンジンであるクラウドコンピューティング部門は、AI需要の急増により第2四半期の売上が26%増加した。
この機会を捉えるため、アリババのエディ・ウーCEOは今後3年間でクラウドおよびAI分野に最低530億ドル(約7兆7,971億円)を投資すると約束した。北京はAIの自給自足を目指し、数十億ドル規模の投資を行っており、これはワシントンの圧力が永続的なものではないことを示唆している。
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