
欧州連合(EU)が今年第2四半期に史上初めてロシアとの貿易で黒字を計上したことが明らかになった。ウクライナ戦争後、貿易量が急減し、ロシア産エネルギーへの依存度が大幅に低下したことが要因だ。ユーロニュースは20日(現地時間)、欧州統計局「ユーロスタット」のデータを引用し、第2四半期のEUの対ロシア輸出額が75億ユーロ(約1兆2,908億円)、輸入額は70億ユーロ(約1兆2,048億円)となり、5億ユーロ(約860億5,487万円)の小幅な黒字を達成したと報じた。
統計作成を開始した2002年以降、EUがロシアに対して黒字を記録したのは今回が初めてだ。EUとロシアの貿易量は、ウクライナ戦争が勃発した2022年第1四半期の819億ユーロ(約14兆952億円)から今年第2四半期には145億ユーロ(約2兆4,955億円)へと82%激減した。戦争前までロシアはEUの主要貿易相手国の一つだった。しかし、EUが戦争勃発直後から先月までに18回にわたり、各種輸出入制限を含む制裁パッケージを採択したことで貿易量が急減した。
特にエネルギー部門をロシアの戦争資金源と位置付け、原油価格上限制などの制裁に踏み切ったことで貿易赤字が大幅に縮小した。エネルギー分野におけるEUの対ロシア貿易赤字は、2022年第2四半期の428億ユーロ(約7兆3,660億円)から今年第2四半期には42億ユーロ(約7,228億3,100万円)へと90%減少した。EUの原油輸入に占めるロシア産の割合は、2021年第1四半期の29%から今年第2四半期にはわずか2%にまで低下した。天然ガスの依存度も同期間に39%から13%へと縮小した。エネルギー輸入の多角化により、米国および欧州最大の産油国であるノルウェーが恩恵を受けた。同期間、EUの米国産原油輸入割合は5%、ノルウェー産は4%拡大した。
EUは2022年12月、ロシア産原油の価格上限制度を導入し、違反する企業や機関に制裁を科している。また、第三国船籍を利用して制裁を回避する「シャドーフリート(shadow fleet)」に属するタンカーのリストも随時更新している。国際原油価格の安定を受け、EUは先月ロシア産原油の価格上限をバレル当たり60ドル(約8,820円)から47.6ドル(約6,997円)に引き下げた。
コメント0