
ウクライナのドローンが黒海沿岸の有名リゾート都市ゲレンジーク近郊の森林に落下し、大規模な山火事が発生した。火災現場は「プーチン宮殿」として知られるウラジーミル・プーチン露大統領の別荘に近い場所とされる。
ロシアの独立系メディア「モスクワ・タイムズ」によると、8月28日(現地時間)、ウクライナのドローンがクラスノダール地方ゲレンジーク付近に飛来したという。防空システムによって撃墜されたが、破片が落下しゲレンジーク周辺の森林やクリニツァ村付近の3カ所で火災が発生した。
火災現場から西へ約10キロの地点には、プーチン大統領の「秘密宮殿」があるとされる別荘が位置している。

炎はゲレンジーク近郊からプーチン大統領の別荘が所在する地点からわずか9.6キロ手前まで拡大した。
一部のロシア独立系メディアは「火の手がプーチン大統領の別荘から3キロ先に迫った」と報じたが、裏付けとなる証拠は示されていない。
負傷者や死者は確認されていないが、休暇中の観光客23人が煙で避難経路を断たれ、救助当局がボートで安全な場所へ移送した。ロシア当局によると、今回の火災で約17ヘクタールが焼失し、100人以上の緊急要員と消防航空機が投入されたという。
戦争の脅威にさらされるプーチン大統領の資産
ウクライナがロシア本土への攻撃を強める中、プーチン大統領の別荘も絶えず脅威にさらされている。
今月初めには、プーチン大統領が「愛する都市」と公言する南部ソチの石油貯蔵施設がドローン攻撃を受け、大規模な火災が発生した。

黒海沿岸に位置するソチは温暖な気候で、ロシア国内有数のリゾート地として知られる。プーチン大統領はソチに別荘を所有しているほか、愛用するスキーリゾートもソチ内にある。プーチン大統領が愛するソチが攻撃を受けたのは、ウクライナ戦争勃発以来、今回が2度目となる。
謎に包まれたプーチンの超豪華秘密別荘、告発者は不審死
プーチン大統領の「秘密宮殿」の存在が初めて公にされたのは2021年、反体制派のアレクセイ・ナワリヌイ氏が制作したドキュメンタリーだった。ナワリヌイ氏は昨年、シベリアの刑務所で服役中に不審死している。

ナワリヌイ氏は当時、プーチン大統領が石油財閥や新興財閥の支援を受け、総工費15億ドル(約2,203億7,194万円)規模の隠れ家を建設したと主張した。隠れ家にはカジノや劇場、アイスホッケーリンクまで備わっていると指摘した。
さらに「宮殿は鉄壁のフェンスと独自の警備施設、飛行禁止区域や検問所を備え、事実上ロシア国内の『別国家』として機能している」と述べた。
また、必要に応じて数週間にわたり生存可能な二重トンネル式の地下壕もあると付け加えていた。
ただし、プーチン大統領は黒海沿岸にこのような豪華施設を所有しているとの指摘を一貫して否定している。
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