ゼレンスキー大統領、4日パリで欧州首脳と会談へ…トランプ大統領は参加見送り

ドナルド・トランプ米大統領が仲介を試みていたロシアとウクライナの二国間会談の開催が難しい情勢となるなか、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が欧州首脳との協議のためフランス・パリを訪問する見通しだ。
1日(現地時間)、『AFP通信』は関係筋の話として、ゼレンスキー氏が4日にパリで欧州首脳と会談し、ロシアとの戦争終結に向けた協議を行う予定だと報じた。
情報筋はAFPに対し、ゼレンスキー大統領と欧州首脳との会談を調整中であり、現時点ではトランプ大統領の出席は見込まれていないと明らかにした。そのうえで、ロシアが最近、西側主導の終戦努力から再び距離を置こうとしていることを踏まえ、今回の会談ではウクライナの安全保障と「外交努力の促進」が主要議題になるとの見方を示した。
これに関連して、英紙『フィナンシャル・タイムズ』は、フリードリヒ・メルツ独首相、キア・スターマー英首相、マルク・ルッテNATO(北大西洋条約機構)事務総長、ウルズラ・フォン・デア・ライエンEU(欧州連合)委員長らが、マクロン仏大統領の招きで4日にパリでウクライナ戦争に関するハイレベル協議を行う予定だと報じている。ゼレンスキー氏もマクロン氏の招待を受け、首脳会談に出席する見通しだ。
ゼレンスキー大統領と欧州首脳との会合の予定が伝えられたのは、トランプ大統領が断言していたロシアとウクライナの二国間会談の実現が不透明となる中でのことだ。
トランプ大統領は先月18日、ホワイトハウスで行われたゼレンスキー氏と欧州首脳の会合の際、プーチン露大統領と電話会談を行い、プーチン氏がウクライナとの二国間会談や米・ウクライナ・ロシアの3カ国会談に同意したと明らかにしていた。とりわけ、ロシアとウクライナの二国間会談については「2週間以内に開催される」と断言したものの、現時点でその開催に関する具体的な動きは伝えられていない。
欧州内ではすでに、プーチン大統領とゼレンスキー大統領の会談に期待するのをやめ、戦争の長期化に備える必要があるとの声が出ている。
メルツ首相はドイツ公共放送『ZDF』のインタビューで、戦争がさらに長引く可能性に備えていると述べ、休戦交渉の進展に懐疑的な立場を示した。また、ロシアが休戦交渉に非協力的な姿勢を見せていることについては、「ロシアの戦略の一部であり、驚くべきことではない」と語った。
トランプ大統領は先月30日、米メディア「デイリー・コーラー」のインタビューで、米国・ウクライナ・ロシアの3カ国会談は実現の可能性があるとの見解を示した。しかし、ロシアとウクライナの二国間会談については「よくわからない」と述べ、両国首脳の会合が近いうちに実現しない可能性を示唆した。
一方、プーチン大統領は1日、中国・天津で開かれた上海協力機構(SCO)首脳会議で、ウクライナとの戦争の原因は、ウクライナをNATOに加盟させようとする西側の試みだと主張した。そのうえで、ウクライナ危機の根本原因を解決し、安全保障の均衡を確立すべきだと強調。西側がウクライナを犠牲にしてロシアの安全保障を脅かし、戦争を引き起こしたとの従来の立場を改めて示した。
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