
グローバル株式市場の不安を背景に、代表的な安全資産とされる金の価格が大きく変動している。金価格の上昇に伴い、代替投資先として注目されるビットコイン(BTC)も上昇する可能性があるとの見方が出ている。
2日(現地時間)、シカゴ商品取引所(CME)傘下の金属先物取引所COMEXによると、金先物価格は当日、一時オンス当たり3,600ドル(約53万3,433円)を突破した。金価格がオンス当たり3,600ドルを超えたのは今回が初めてで、前日に続きわずか1日で史上最高値を更新した。
いわゆる「トランプリスク」による市場の不確実性が金価格上昇の主因とされている。ドナルド・トランプ米大統領が最近、リサ・クック連邦準備制度理事会(FRB)理事の解任など、FRBへの圧力を強めたことで米株式市場の不安が高まった。 欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド総裁も、トランプ大統領の「FRB揺さぶり」について米国経済の安定性に悪影響を及ぼしかねないと強い懸念を示した。
市場の関心は、金とビットコイン価格の「カップリング(連動)」の可能性に集中している。ビットコインは「デジタルゴールド」と呼ばれるだけあって、金と高い相関関係を示している。今年4月に金が史上初めて3,500ドル(約51万8,645円)を突破した後、1~2ヶ月でビットコイン価格が本格的に上昇したのが代表的な例である。2020年に金価格が初めてオンス当たり2,000ドル(約29万6,369円)を突破した際も、ビットコイン価格は追随して上昇した。米仮想資産専門メディアのコインテレグラフは、金価格の上昇に伴い、より高いリターンを求める投資資金がリスク資産であるビットコインに流れる傾向があると分析している。

最近、米国と欧州連合(EU)を中心に浮上した主要国の財政不安も追い風となる可能性があるとの分析もある。法定通貨への不安が高まるたびに、これまで安全資産に集中していた資金がインフレーションヘッジ手段として注目されるビットコインに分散される可能性が高いためである。
世界最大のヘッジファンド「ブリッジウォーター・アソシエイツ」創設者のレイ・ダリオ氏は、この日X(旧Twitter)で、基軸通貨国の深刻な負債状況がドルの基軸通貨および富の貯蓄手段としての魅力を脅かすと指摘した。ドルの供給量が増加するか需要が減少した場合、(ビットコインなどの)暗号資産は魅力的な「代替通貨」となり得ると述べた。
ビットコインが金に比べて過小評価されているとの分析も同様の文脈で見られる。グローバル投資銀行JPモルガンは最近のレポートで、現在のビットコイン価格の変動性は金の約2倍でありながら、過去最低水準にあると指摘、変動性を考慮するとビットコインの時価総額は現在より約13%高くなるべきだと分析した。仮想資産分析会社マトリックスポートも、金への投資機会がビットコインと連動していると指摘している。ビットコインはまだ調整局面にあるが、長期的な見通しは依然として強気である。
機関投資家の動きもその見方を裏付ける。仮想資産データ分析プラットフォーム「SoSoValue(ソーソーバリュー)」によれば、この日、米国のビットコイン現物上場投資信託(ETF)には3億3,300万ドル(約493億3,556万1,199円)の純流入があり、1営業日ぶりに資金流入超に転じた。マトリックスポートは、流動性が限られている状況下でも金価格が急騰したと指摘し、投資家は金とビットコインに同時に分散投資していると説明した。
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