中露朝の関係強化でプーチン大統領の自信が高まる…「意気揚々」

4日間にわたる中国訪問を契機に、プーチン大統領の自信は一層高まったとの見方が広がっている。ウクライナ侵攻を受けて西側からの制裁と圧力に直面していたプーチン大統領だが、中国や北朝鮮との緊密な関係を誇示し、外交上の立場を強めたとされる。
3日(現地時間)、米紙ワシントン・ポスト(WP)は、プーチン大統領が中国訪問後に意気揚々とした姿を見せていると伝えた。経済面においても、中国と長年協議してきたガスパイプラインプロジェクトが勢いを増し、成果が表れつつあると報じた。ロシア国営メディア「タス通信」は、プーチン大統領が4日間の中国訪問中に17カ国の首脳と会談したと報じ、公式日程のみで48時間に及ぶ会談をこなしたことから、プーチン大統領がまさに「残業」を行ったと伝えた。
最も注目を集めたのは、中国建国80周年記念の軍事パレードへの出席だった。プーチン大統領、中国の習近平国家主席、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が一堂に会したのは初めてであり、その光景は、米国の覇権に対抗する三首脳の「政治的プロパガンダの勝利」とWPは評価した。特にプーチン大統領は、多国間外交デビューを果たした金委員長に対して親密さを示し、軍事パレード後、北朝鮮とロシアの首脳会談会場へ向かう際には、金委員長と同じリムジンに同乗。乗車直前には金委員長に車内の上席を譲ろうとする姿勢も見せたという。
経済的成果も得られた。WPによると、訪中最終日の記者会見でプーチン大統領は、中国と長年協議してきた『シベリアの力2』ガスパイプラインに関して、中国との「意見の一致」を確認したと明かした。パイプラインが完成すれば、中国に対して100bcm(1bcm=10億㎥)規模の天然ガスを供給できると説明した。ウクライナ戦争後、西側諸国の厳しい制裁により欧州市場を失ったロシアが、中国を新たな市場として確保したことになる。中国側にとっても、米国産液化天然ガス(LNG)への依存度を下げるメリットがあると指摘されている。
プーチン大統領の公式発言からは、自信の高まりがにじむ。特にウクライナ戦争の終結に関しては、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領を「行政府首長代行」と揶揄しながら「会談の準備ができたらモスクワに来ればいい」と余裕を見せた。また、ウクライナの安全保障協議については「ウクライナを含むすべての国は自ら安全保障を選択できる。しかし、ロシアなど他国の安全を犠牲にする安全保障はありえない」と線を引いた。これにより、ウクライナ戦争の停戦または終結はさらに遠のいたのではないかとの見方が出ている。
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