
昨年、米軍が未確認飛行物体(UFO)に向けミサイルとみられる武器を発射する映像が初めて公開された。The War Zone(ウォーゾーン)やニューヨーク・ポスト(NYP)など米国のメディアは9日(現地時間)、「共和党のエリック・バーリソン下院議員(ミズーリ州)が、この日の下院の公聴会で未確認異常現象(UAP)関連映像を初公開した」と報じた。
バーリソン議員が公開した約50秒の映像では、ドローン(無人機)の「MQ-9・リーパー」が光る球体を追跡し、その後別の「MQ-9・リーパー」が「AGM-114・ヘルファイア」ミサイル(対戦車及び多目的空対地ミサイル)と推定される武器を発射していた。

驚くべきことに、ミサイルと思われる物体が球状の未確認飛行物体に衝突したにもかかわらず、球体は爆発せず、むしろミサイルを弾き返した。この球体は、ミサイルに命中した後も元の軌道を維持して飛行を続けた。バーリソン議員によると、この映像は昨年10月30日にイエメン沖で撮影されたという。
The War Zoneは「映像だけでは物体の正体は不明だ」としつつ、「センサーの検知方式から見ると、球形よりも円筒形に近い形状だ。ただし、これは映像の画質によるものかもしれない」と説明した。さらに「物体は衝突後、空中で揺れているように見えるが、実際にどれほど長く空中に留まっていたかは不明だ」とし、「映像や背景の詳細はまだ確認されていないが、MQ-9・リーパーが作戦中に空中目標(UFO)を攻撃した事例が確認されたのは今回が初めてだ」と付け加えた。

バーリソン議員は公聴会で当該映像を公開した後、「ミサイル発射で生じた破片や残骸は後に別の場所に移されたようだ」と述べ、「この映像は内部告発者から提供されたもので、独立した検証が進行中だ」と説明した。さらに「未確認異常現象(UAP)に関する米政府の透明性確保のために映像公開を決断した」と付け加えた。

イエメンなど中東でMQ-9・リーパーが未確認飛行球体を発見した事例は、今回が初めてではない。以前、米国防総省の全領域異常解決局(AARO)の前所長であるショーン・カークパトリック氏は、「2022年にも中東でMQ-9・リーパーのカメラに金属球体が捉えられていた」と主張した。
この事例はAAROが公式に公開した事例の一つだが、オープン・ソース・インテリジェンスによる独自の調査報道ウェブサイト、ベリングキャットは「映像分析の結果、この球体が『マイラーバルーン』である可能性が極めて高い」と結論付けた。マイラーバルーンとは、金属ポリエステルフィルム(マイラー)で作られた、光沢があり控えめに反射する表面を持つバルーンだ。米国防総省も「これらの事例が『地球外技術の証拠』と呼べる信頼できる証拠は見つかっていない」と明言している。
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