
エマニュエル・マクロン仏大統領は9日(現地時間)、セバスティアン・ルコルニュ国防相(39)を新首相に任命した。過去2年間で5人目の首相指名となる。『AFP』通信は、エリゼ宮(大統領府)の発表としてこの人事を報じた。
ルコルニュ氏は、フランス史上最年少の国防相として注目を集めた人物だ。ウクライナ戦争を背景に各国が軍備増強を進める中、2030年までに国防費を大幅に増額する計画を掲げている。
保守派のルコルニュ氏は2017年にマクロン大統領の中道政治運動に加わった。2018年には、フランスを揺るがした「黄色いベスト運動」のデモの際、政府とデモ隊の対話仲介役を務め、注目を集めた。
AFPは今回の人事について、マクロン大統領への忠誠心を重視する傾向が反映されたと分析。予算をめぐる対立で閣僚が相次ぎ失脚し、国内が混迷する中で、政策の継続性を維持する狙いがあると指摘した。
これに先立ち、フランソワ・バイル首相は同日午後、エリゼ宮を訪れ、マクロン大統領に自身と全閣僚の辞表を提出した。
前日、下院はバイルー内閣に対する信任投票を実施し、過半数を大きく上回る364票で不信任決議を可決した。国家負債の深刻さを強調し、緊縮予算案を推進してきたバイルー首相は、自らの職を賭けて政策を強行したものの、野党の不信任により退陣を余儀なくされた。
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