
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は11日付の報道で、米国のドナルド・トランプ大統領が9日(現地時間)、イスラエルによるカタール攻撃後、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と電話で通話し激怒したと伝えた。
米政府の高官によると、イスラエルがイスラム組織ハマスの掃討を名目に同盟国カタールへの空爆を実施した後、トランプ大統領はネタニヤフ首相と2度にわたり通話したという。WSJによれば、最初の通話でトランプ大統領は激高し、カタールへの空爆は賢明ではなかったとネタニヤフ首相を厳しく批判したとされている。
また、空爆の情報をイスラエルからではなく米軍を通じて知らされたことにも怒りを露わにしたとWSJは報じている。これに対しネタニヤフ首相は、空爆の機会が極めて短時間しかなく、チャンスを捉えて行動したと説明したとされる。
これに先立ち、ホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官は9日の記者会見で、イスラエルのカタール空爆後、トランプ大統領がイスラエル首相、カタール国王および首相と通話したことを明らかにしていた。レビット報道官は、トランプ大統領が今回の件に関する自身の見解と懸念を非常に明確に伝えたと述べたが、トランプ大統領とネタニヤフ首相の具体的なやり取りについては言及しなかった。
2回目の通話では、トランプ大統領が空爆の成功について尋ねたが、ネタニヤフ首相は把握していないと答えたという。数時間後、ハマスは攻撃目標が生存しており、下級幹部6名のみが死亡したと発表した。
イスラエルが米国と十分な協議なしに突如中東諸国を攻撃し、トランプ大統領が不満を示したのは今回が初めてではない。6月、ネタニヤフ首相は、トランプ大統領がイラン核合意の仲介を試みている最中に、イランへの攻撃準備を進めていることを伝え、その数時間後、イスラエルによるイラン空爆が開始された。
関係者によると、トランプ大統領とスティーブ・ウィトコフ中東特使は、ここ数か月、ネタニヤフ首相が事前の警告もなく自国を困難な状況に追い込んでいると不満を漏らしているという。
戦略国際問題研究所(CSIS)・中東プログラム担当ディレクターのモナ・ヤクービアン氏は、ネタニヤフ首相によるカタール空爆に関して、トランプ大統領の中東における場当たり的なアプローチも一因であると指摘した。ヤクービアン氏は、トランプ大統領の中東政策における一貫性の欠如が、他のアクターに自由に行動する機会と余地を与えていると述べた。
トランプ大統領の不快感が露呈したにもかかわらず、イスラエルはハマスを標的とした追加攻撃の可能性を示唆している。ネタニヤフ首相は同日、動画声明を通じて「カタールを含め、テロリストを匿うすべての国は彼らを追放するか、法の裁きを受けさせるべきだ。そうでなければ我々がそうする」と述べた。
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