欧州防衛企業が開発「戦車搭載用小型ミサイル」
小型で砲弾のように搭載可能
レーザー不要で命中率向上を図る仕様

戦車の主砲から砲弾ではなく小型ミサイルを発射する軍事技術が飛躍的に進歩しており、敵に察知されずにミサイルを命中させる手法が開発されつつある。将来的に戦車戦の様相を変える可能性があるとして注目されている。
米メディア「インタレスティング・エンジニアリング」や「ディフェンス・ニュース」などによると、欧州の防衛企業MBDAは、戦車向けミサイル「Akeron MBT 120」をロンドンで開催された国際防衛産業見本市「国際防衛産業展示会(DSEI)UK 2025」で公開したという。
DSEIは世界約90か国から約1,600社が参加し、9日から12日まで開催された。
Akeron MBT 120は全長約1メートル、重量約20キロと小型に設計され、英国のチャレンジャーやドイツのレオパルトなど、口径120ミリの戦車砲に砲弾と同様の形で装填できる点が特徴だ。砲身の改造を必要とせず発射可能とされる。
戦車からミサイルを運用する利点は、砲弾と異なり誘導機能を持つため、移動する標的に対して有効に命中させやすい点にある。現状、ロシアの一部戦車にも砲内発射型ミサイルが搭載されているが、従来型では命中まで乗員がレーザーを照射し続ける必要があり、照射が検知されれば標的側は攻撃を察知して回避機動を行えるため命中率が下がると指摘される。
一方、Akeron MBT 120は標的が放つ可視光や赤外線などの自然放射を捉えてミサイルを誘導する方式を採るとされ、発射に際してレーザー照射を行わないため、標的側が被照準を感知しにくい点を利点としている。
MBDAは数年内の実戦配備を見込んでおり、MBDAは「戦車の戦い方が完全に変わる」と述べている。
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