
米週刊誌「ニューズウィーク」は13日(現地時間)、ロシアが戦略的軍事拠点として利用する飛び地「カリーニングラード」に大規模レーダー基地を建設中だと報じた。カリーニングラードは北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるリトアニアとポーランドに隣接している。これにより、ロシアが長期的に欧州との大規模衝突に備えているのではないかとの見方が出ている。
ロシア・ウクライナ戦争を追跡するオープンソース情報分析グループ「Tochnyi.info」が、カリーニングラードのレーダー基地建設の事実を初めて明らかにした。Tochnyi.infoによると、カリーニングラードのチェルニャホフスク地域にあるこのレーダー施設は、先月時点で完成間近だったという。軍事用アンテナ配列から、SIGINT(信号情報)収集または通信目的に設計されたと推測される。
2023年3月から先月までの衛星写真は、約2年半かけて直径最大1,600mの円形アンテナ配列が設置される過程を示している。この規模の大型アンテナセットは、超長波(VLF)送信に適しており、潜水艦との通信や地球規模での信号伝達に使用できる。Tochnyi.infoは、このシステムを数千キロメートル以上の超長距離監視が可能な最先端の超水平線(OTH)レーダーシステムの一部と見ている。Tochnyi.infoは「この施設は単なる既存のOTHレーダーの延長ではない」とし、「ロシアの軍事領域では前例のない事例であり、さらなる調査と厳重な監視が必要だ」と指摘した。

軍事専門メディア「アーミー・レコグニション」は、カリーニングラード施設がVLFおよび低周波帯を活用し、バルト海および北大西洋の潜水艦との通信や東欧全域のNATO通信の傍受が可能だと分析した。
すでにS-400ミサイルの防空システム、イスカンデル弾道ミサイル部隊、バルト艦隊の海軍資産が配備されているカリーニングラードは、ロシアとNATOが衝突した場合、戦略的要衝になると予想される。特に、ポーランド国境付近での通信施設拡張の報道は、ロシアの軍事行動がウクライナ侵攻を超える可能性があるというNATO東部諸国の警告に重みを加えていると、ニューズウィークは指摘した。
Tochnyi.infoは「2023年中旬以降、ロシアの主要防衛産業工場の多くが大規模な拡張に乗り出した」とし、「カリーニングラード施設の設置は、ロシアが平和を求めるのではなく、欧州を含む西側との大規模かつ長期的な衝突に備えているという見方を強めている」と述べた。一方、リトアニアのドヴィレ・シャカリエネ国防相は、バルチックニュースサービス(BNS)のインタビューで「カリーニングラード基地はスパイ目的ではなく、数千キロメートル離れた空域の航空機やミサイルを探知するためのものだ」と述べ、懸念を否定した。

これに先立ちウクライナは9日、ロシアがNATOに対して戦争準備を進めているとし、「アルマゲドン・シナリオ」を阻止すべきだと訴えた。10日、英紙「ザ・タイムズ」によると、ウクライナのデニス・シュミハリ国防相は前日のインタビューで、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が今後10年以内に「侵略意図」を示してきたと主張した。
シュミハリ国防相は「彼らは自らのドクトリンに従い、NATOに対して戦争準備を進めている」と分析した。このため、ウクライナや欧州が十分な防衛力を持たなければ、たとえ和平協定が成立してもプーチン大統領が再び攻撃に転じる恐れがあると警告し、「我々は単なる休戦ではなく終戦が必要だ。ロシアが二度と攻撃できないようにすべきだ」と強調した。
この発言から数時間後の10日、ポーランド領空に侵入したロシアのドローン(無人機)の一部が撃墜され、NATO緊急会議が招集されるなど、緊張が高まっている。さらに13日には、ウクライナと国境を接するルーマニア領空にもロシアのドローンが出現し、戦闘機2機が緊急発進した。
同日、ルーマニアのイオヌツ・モシュテアヌ国防相は「ルーマニア空軍が国家領空に侵入したロシアのドローンを阻止した」と発表した。ルーマニア国防省は、ロシアがドローンでウクライナのインフラを攻撃する過程で、ルーマニア領空に侵入したとみている。モシュテアヌ国防相は、2機のF-16戦闘機が「緊急」発進し、ドローンを追跡、レーダーから消失するまで監視したと説明した。同相は、ドローン出没地域の住民に危険は及ばなかったとし、「ルーマニアは自国領空を守り、ロシアの侵略に対して決して警戒を怠らない」と警告した。
コメント0