
ルーマニア外相は14日、ウクライナ攻撃中にロシアのドローンがルーマニア領空に侵入した件で、ブカレスト駐在のロシア大使を召喚したと発表した。
AFP通信によると、オアナ・トイウ外相は同日、民放テレビ局Digi24のインタビューで、ウラジミール・リパエフ大使を外務省に呼び、ドローン侵入に対する抗議を明確に伝えたと述べた。
ルーマニアは今回の領空侵犯を強く非難し、ロシアの行動が黒海地域の安全保障に新たな脅威をもたらしていると指摘した。
ポーランドもすでに、ロシアのドローンによる領空侵犯を非難し、さらなる挑発行為の自制を求めている。
ポーランド空軍は13日、ウクライナ国境上空で再びロシアの無人機攻撃が発生したため、戦闘機を緊急発進させて対応した。
NATO加盟国のルーマニアは、2022年のロシアによるウクライナ侵攻以降、複数のドローン破片が自国領土に落下する事態を経験している。
ルーマニア国防省は13日の声明で、「ロシアの無責任な行動を強く非難するとともに、これが黒海地域の安全と安定に対する新たな脅威である」と述べた。
声明では、「このような事件は、ロシア連邦が国際法を尊重していないことを示している」とも強調している。
欧州連合(EU)のカヤ・カルラス外交安全保障上級代表は、ロシアの行動を安全保障に対する無謀な脅威だと批判した。
カラス氏はX(旧Twitter)で、「ロシアのドローンがルーマニア領空を侵犯したのは、EU加盟国の主権を容認できない形で侵害した別の事例だ」と投稿している。
ルーマニア国防省によれば、侵入したドローンはロシア製の「ゲラン(Geran)型ドローン」であるという。
「ゲラン」はイラン製シャヘード-136ドローンを改良したもので、目標に接近して自爆する攻撃型ドローンである。
国防省は「ロシアのドローンはチリア・ベチェ村の北東からイズマイールの南西まで約50分間飛行し、パルディナ村付近で国家領空を離れ、ウクライナへ向かった」と発表した。
ルーマニアはF-16戦闘機2機を出動させ、ロシアのドローンを監視し、レーダーから消えるまで追跡したという。
ただし、ロシアのドローンは人口密集地の上空を飛行せず、住民の安全に即座の脅威を与えるものではなかったとされる。
トイウ外相はX(旧Twitter)で、「国連総会でロシアの行動を取り上げ、制裁の厳格な履行を求める」と述べた。
なお、ルーマニア議会は2月、領空を侵犯するドローンを撃墜できるようにする法案を可決している。
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