
ロシアと北大西洋条約機構(NATO)の軍事的対立が日々激化する中、ロシア軍は海上で極超音速ミサイルの発射訓練に着手し、緊張が再び高まった。ニューズウィーク、ニューヨーク・ポスト(NYP)などによると、ロシア軍は14日(現地時間)に先端極超音速の準中距離弾道ミサイル(MRBM)「ジルコン」の発射映像を公開したという。
最大射程1,000㎞、最大速度マッハ9で知られる極超音速ミサイル「ジルコン」は、ほぼ垂直に発射され巡航した後、標的上で超高速で降下する新型兵器である。ロシア政府は、北海艦隊空母部隊に所属するアドミラル・ゴルシコフ級フリゲートからバレンツ海の海上標的に向け「ジルコン」ミサイルを発射し、標的は即座に破壊されたと発表した。
ロシア軍とベラルーシ軍は、12日から各地で連合軍事演習「ザパド(西)2025」を実施している。「ザパド」はロシア語で「西」を意味する。これに先立ち、クレムリン(ロシア大統領府)は「ザパド2025」に新型極超音速中距離弾道ミサイル(IRBM)「オレシュニク」の使用演習が含まれると発表したが、これはIRBMのみならずMRBMも含む。
ロシア軍は「ジルコン」発射と共に、Su-34(スホーイ・ロシア空軍最高の超音速攻撃機)が攻撃任務を遂行する連合訓練も終了したと発表した。クレムリンは訓練開始に先立ち、「(「ザパド2025」は)定例的な訓練であり、他国を狙ったものではなく、ロシアのいかなる措置も第三国を標的としていない」と強調した。
ロシアとベラルーシは、むしろ西側の強い反発を考慮し、参加兵力を1万3,000人未満に大幅縮小し、訓練地域を後方にずらしたと主張している。しかし、ベラルーシと国境を接するポーランドは、接境地域に兵力4万人を増派し、陸上国境を閉鎖した。ポーランドおよびリトアニア、ラトビアはベラルーシ方面の領空も一部閉鎖した。
ロシア軍ドローンが10日にポーランド領空に侵入し、NATO戦力により撃墜されたのに続き、13日にもロシア軍とみられるドローンがルーマニア領空を50分間飛行するなど、NATO東部における緊張は既に最高潮に達している。
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