
国連の主要報告書によると、北朝鮮政府は、外国映画やテレビドラマの視聴・共有で摘発された者を含め、死刑執行件数を増加させているとBBCが12日に報じた。
ニューシスによれば、報告書は北朝鮮が国民に対する強制労働をさらに強化し、自由を一層制限していると指摘している。
国連人権高等弁務官事務所の報告書は、「北朝鮮は過去10年間で市民の生活全般に対する統制を強化し、他国には見られない厳しい制限を課している。監視体制も強化され、技術進歩がその一因となっている」と述べている。
フォルカー・トゥルク国連人権高等弁務官は、「この状況が続けば、北朝鮮住民はこれまで耐えてきた苦痛や弾圧、恐怖にさらに晒されることになる」と警告した。
過去10年間に北朝鮮脱出者への300件以上のインタビューをもとにした報告書では、2015年以降、死刑執行を認める新たな法令が少なくとも6件導入され、情報アクセスの制限により、映画やテレビドラマなど外国メディアの視聴・共有が死刑理由となるケースが増えていると指摘している。
脱北者は「2020年以降、外国コンテンツの流布に伴う死刑執行が著しく増加した」と述べ、「公共の場での公開銃殺が実施され、恐怖を植え付けることで違法行為を抑止している」と証言している。
金正恩北朝鮮国務委員長は、2011年の権力掌握時に「もはや国民は腰の紐を締める必要がない」と述べ、経済成長と核兵器開発で国を守ると約束したが、過去10年間で北朝鮮の状況は逆に悪化している。報告書は、2019年以降、金正恩が西側諸国や米国との外交を回避し、武器開発に注力した結果、住民の生活水準と人権がさらに低下したと指摘している。
国連人権高等弁務官事務所と話した脱北者は、「北朝鮮では1日3食の確保が贅沢とされ、新型コロナウイルス感染症の大流行期に全国で餓死者が相次いだ」と証言している。
一方、国連はこの状況をハーグ国際刑事裁判所(ICC)に付託するよう求めたが、そのためには国連安全保障理事会の決議が必要であり、2019年以降、中国とロシアが新たな対北朝鮮制裁措置の試みを阻んでいる。
先週、北京で開催された大規模軍事パレードでは、中国の習近平国家主席とロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、金正恩委員長に対し、北朝鮮の核兵器プログラムと住民への扱いを黙認していることを示唆した。
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