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「米国で追放、本国で排除」…中国人留学生、米中対立の犠牲となり“居場所ゼロ”の悲劇

望月博樹 アクセス  

引用:ニューシス
引用:ニューシス

中国の学生にとって、アメリカの大学の学位は母国で望む職に就くための「ゴールデンチケット」と見なされていたが、米中対立の中で逆に苦境に陥っているとCNNが15日に分析した。

ニューシスの報道によれば、ドナルド・トランプ政権はハーバード大学など、アメリカ国内の大学に在籍する中国人留学生のビザ取り消しをほのめかしたが、6月にトランプ大統領と習近平国家主席との電話会談で一旦保留されたという。

しかし、中国人留学生を取り巻く不確実性は依然として残っている。

アメリカ国内での入国審査の強化により、拘留や強制帰国となる事例が相次ぐなど、ビザの取り締まりは依然として強化されている。

さらに、中国国内では留学生の海外経験が雇用主によって「危険信号」と見なされ、採用を控えられるケースが増えているという。

就職市場においても、海外留学経験が疑念を招き、国内人材に有利な状況となっているということが明らかになった。

中国南東部出身で修士号を取得したリアンさん(24)は、アメリカで3年間学んだ後、ウォール街で働くという夢を抱いていたが、昨年7月に学生ビザが突然取り消され、帰国を余儀なくされた。

これは、中国軍と関係があると見なされる留学生や研究者へのビザ発給を禁じる規定によるものであった。

その後、リアンさんは中国国内の熾烈な就職市場に身を投じたが、アメリカでの経験が公共部門への進出を妨げ、民間企業への応募も容易ではないことを思い知らされたという。

リアンさんは3月、上海のある企業にようやく就職したが「米中間の争いに巻き込まれれば何もできなくなる」と語った。

海外留学後に帰国する卒業生は増加しているものの、アメリカなど外国の学位を持つ者の就職の門は狭まっている。

中国教育部および北京のシンクタンク「Center for China and Globalization (CCG)」の資料によると、習近平主席が2013年に権力を掌握して以来、海外からの帰国者数は約35万人から2019年には58万人へと着実に増加し、2021年には100万人を超えたという。

しかし、習近平主席の政権下でナショナリズムが強まり、国家安全保障への懸念が高まる中、中国企業の留学生に対する見方も大きく変化している。

4月末、中国家電メーカー「Gree Electric」の董明珠会長は株主総会で「帰国者は絶対に採用しない。彼らの中にスパイが潜んでいる可能性がある」と述べた。

この発言は、ソーシャルメディアや国営メディアにおいて、帰国者に対する「烙印貼り」や「固定観念化」を助長するとの批判を呼んだ。

国営企業でしばしば見られる偏執的な「スパイ疑惑」が、著名な民間実業家から出たことは特に衝撃的だとCNNは伝えている。

2023年以降、広東省や北京などの主要都市および複数の省では、外国の学位を持つ者が政府の採用プログラムである「選調生」に登録することを禁止した。

選調生プログラムは、エリート卒業生を選抜し、政府および国共産党の将来の高官として育成する政府の採用プログラムである。

中国の『グローバル青年サミット』とと中国の主要なオンライン採用プラットフォームである『リピン』が共同で発表した年次報告書によると、留学生の半数近くが国家支援企業や政府機関への就職を希望したということが明らかになった。

シンガポール国立大学リー・クアンユー公共政策大学院のアルフレッド・ウー准教授は「公共部門が海外卒業生を歓迎しない主な原因は国家安全保障の懸念だ」と述べた。

ウー准教授は「中国では、スパイ行為をめぐる偏執的な雰囲気が社会の規範となっている」と説明した。

中国の雇用主にとって、国内卒業生を採用することは安全面の懸念が少ないだけでなく、コストも低く、現地の文化や市場にも適合するという利点がある。

上海のキャリア開発コンサルタントであるウィアンシンさんは「一部の中国企業は、より強い職業倫理と現地市場への理解を持った『コスト効率の高い』国内学生を好む」と語った。

ウィアンシンさんはまた、仕事と生活のバランスが重視される西洋諸国で学んだ人々は、週6日、午前9時から午後9時まで働く『996勤務制』が一般的な中国国内の職場文化には適応しづらい可能性があると指摘した。

さらに「海外留学生は国内卒業生ほど献身的でも有能でもない」という根強い認識が、留学生たちの就職の道を狭めている。

望月博樹
editor@kangnamtimes.com

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