サイバー攻撃により欧州空港に大混乱
米国製搭乗システムが被害、数百便が遅延・欠航
背後にロシア関与の疑い

イギリス・ロンドンのヒースロー空港をはじめとする欧州各地の主要空港で、搭乗システムを狙ったサイバー攻撃が発生し、数百便の航空機が遅延・欠航するなど大規模な混乱が生じた。
AP通信によると、20日(現地時間)、社会的混乱を目的としたとみられる攻撃により、ヒースロー空港のほか、ベルギー・ブリュッセル空港、ドイツ・ベルリン・ブランデンブルク空港などで出発便が大幅に遅れ、多くの乗客が長時間足止めされたという。
昨年7月、サイバーセキュリティ企業「クラウドストライク」のシステム障害で米国内の航空便が停止してから約1年ぶりに、再び「航空大乱」が起きた形となった。
ヒースロー空港は、チェックインや搭乗システムを提供している米国企業「コリンズ・エアロスペース」の技術的問題が原因だと説明した。ブリュッセル空港も「19日夜、欧州各地の空港システムがサイバー攻撃を受け、複数の便が深刻な影響を受けた」と発表した。
自動搭乗システムが停止したため、航空各社は手作業で搭乗手続きを進めざるを得ず、人員不足から乗客の待ち時間が大幅に増加した。荷物タグを手書きで作成したり、電話で搭乗者情報を処理したりする場面も見られたという。ヒースロー空港からインド・ムンバイへ向かう予定だった乗客はBBCに「便を逃し、義母の葬儀に出席できなくなった」と語った。
世界の空港を麻痺させた搭乗システム攻撃については、背後にロシアの関与を疑う見方が浮上している。コリンズ・エアロスペース側は「一部の空港システムでサイバー関連の障害が発生した」とのみ説明し、攻撃元については言及を避けた。
欧州連合(EU)欧州委員会はサイバー攻撃の状況を注視しているが、複数の空港や航空会社が共有する搭乗システムは依然として脆弱性を抱えており、対策の必要性が高まっている。こうした中、10日と13日にはロシアのドローンが北大西洋条約機構(NATO)加盟国のポーランド、ルーマニアの領空を侵犯した。さらに19日にはロシア軍のMiG-31戦闘機3機がエストニア領空に侵入するなど、欧州の緊張は一層高まっている。
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