
米ジョージア州に建設中の現代自動車グループとLGエナジーソリューションの合弁によるバッテリー工場現場で、300人以上の労働者が米移民当局に逮捕・拘束されて以来、韓国産業界の対米新規投資に対する懸念が高まっている。一部では、対米投資の代わりに、米国側が要求する3,500億ドル(約51兆7,179億円)を関税補助金など自国企業支援に充当すべきとの声も上がっている。
23日、産業界の関係者によれば、今回の米韓交渉の最大の問題点は、米国が韓国に対して経済規模に大きな格差がある日本と同様の条件を要求している点だという。韓国は、米韓自由貿易協定(FTA)により対米関税率が0%であったにもかかわらず、過去20年間の対米累積黒字は日本の約3分の1にとどまっている。
また、国内総生産(GDP)においても大きな差が見られる。日本の国内総生産(GDP)は昨年基準で4兆2,000億ドル(約620兆6,943億円)に対し、韓国は1兆8,000億ドル(約266兆118億円)で、約2.3倍の差となっている。政府予算規模も、日本は1兆2,000億ドル(約177兆3,412億円)なのに対し、韓国は5,000億ドル(約73兆8,922億円)と大きな格差が存在する。
また、人口規模も韓国(5,160万人)は日本(1億2,000万人)の半分にも満たず、1人あたりの対米投資負担額は韓国が6,776ドル(約100万1,387円)、日本が4,458ドル(約65万8,823円)と大きな差がある。特に、韓国の外貨準備高は4,160億ドル(約61兆4,783億円)であるのに対し、日本は1兆3,000億ドル(約192兆1,197億円)と、韓国は約3分の1の水準に留まっている。

このため、対米投資によるドル流出が国家信用格付けの低下や外貨危機の引き金になるリスクが懸念されている。米国側が要求する3,500億ドルは、韓国の外貨準備高の84%に相当するため、もし流出すれば国際通貨基金(IMF)などが推奨する保有額(4,000億ドル・約59兆1,181億円)の20%以下に低下することになる。
一方、日本側が求められた投資額5,500億ドル(約81兆2,874億円)は、日本の外貨準備高の42%程度であり、円が基軸通貨として安定性を有していることから、負担が相対的に軽い。さらに、韓国は日本と異なり、米連邦準備制度理事会(FRB)との無制限通貨スワップ協定が未締結であるなど、外貨ショックに対する保護体制が整っておらず、より脆弱であるとの評価がある。
ある業界関係者は「企業はビザ問題などにより、既存事業の進行や対米新規投資に対して多くの懸念を抱いている」と述べ、「米国は韓国との経済協力のために、どのような姿勢を示すべきか再考する必要がある」と語った。
一方、韓国は非関税障壁の解消に関して、米国自動車安全基準の同等性認定上限の廃止、ネットワーク使用料およびオンラインプラットフォーム公正化法関連での米企業への非差別待遇など、米国側の要求をかなり受け入れている。
また、購入・企業投資においても、LNG・原油などエネルギー1,000億ドル(約14兆7,815億円)の購入約束、大韓航空によるボーイング航空機103機の購入契約、トランプ政権時の1,500億ドル(約22兆1,722億円)規模の投資計画などを発表している。米通商代表部(USTR)も、通商分野における米韓間の交渉が合意に近づいていると評価している。
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