
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領がロシア大統領府であるクレムリンへの空爆の可能性を示唆した。ゼレンスキー大統領は25日(現地時間)に報じられた「アクシオス」とのインタビューで、「クレムリンの官僚は爆撃時の避難所の位置を把握しておくべきだ」と述べたという。彼は「我々はテロリストではないので民間人を標的にしないが、クレムリンを含む権力の中枢は合法的な標的になり得る」と強調した。
さらに「彼ら(クレムリンの官僚)は、ウクライナが報復することを知っておくがいい。彼らが我々を攻撃すれば、我々も反撃する」と付け加えた。ゼレンスキー大統領の発言は、ウクライナ軍の既存の武器やドローン(無人機)ではなく、米国の新型長距離攻撃兵器を用いたモスクワ攻撃の可能性を示唆したものと見られている。
報道によると、ゼレンスキー大統領は23日のドナルド・トランプ米大統領との首脳会談で、ロシアを平和交渉に引き入れるための特定の兵器システムの支援を要請し、トランプ大統領は前向きな回答をしたという。ゼレンスキー大統領は「トランプ大統領に我々が必要とするものを一つ伝えた」とし、「必ずしもそれを使用するわけではないが、我々がそれを保有すればロシアのウラジーミル・プーチン大統領が直接交渉に応じざるを得なくなるという圧力が高まるだろう」と述べた。
アクシオスは「ウクライナはすでにロシア深部にまで攻撃可能なドローンを保有しているが、戦争終結を早める可能性のある追加の兵器システムも求めている」と補足した。ロシアは2023年5月、ウクライナ軍のドローン2機がクレムリンを攻撃したと発表したが、ウクライナはこれを否定している。
一方、ロシア政府はゼレンスキー大統領の発言に強く反発した。元ロシア大統領のドミートリー・メドヴェージェフ安全保障会議副議長は、ゼレンスキー大統領を「キーウの麻薬中毒者」と呼び、「その変人が知るべきは、ロシアがいかなる防空壕でも防げない兵器を保有しているということだ。米国もこれを肝に銘じるべきだ」と述べた。
また、クレムリンはトランプ大統領の「ロシアは紙の虎(paper tiger)」発言に対し、「ロシアは伝統的に熊として認識されている」とし、「紙の熊など存在しない。ロシアは本物の熊だ」と直接反論した。
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