
米国のドナルド・トランプ大統領は25日(現地時間)、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領に対し、米国がトルコへの制裁を解除し、F-35戦闘機の販売を許可する可能性を示唆した。ただし、その見返りとしてロシア産原油の購入中止を求めた。
ロイター通信によると、エルドアン大統領は6年ぶりにホワイトハウスを訪問し、トランプ大統領と首脳会談を行ったという。会談において、トランプ大統領はエルドアン大統領を「非常に強い人物」と評し、両者はバラク・オバマ前政権以降「親交を維持してきた」と述べた。
また、トランプ大統領は「ロシアがウクライナに対してこのような蛮行を続ける間、トルコにはロシア産原油を購入しないでほしい」と要求した。トルコは、ハンガリー、スロバキアとともにロシア産原油を輸入する主要な欧州諸国の一つである。
トランプ大統領はこの要求を交渉材料として、制裁解除や武器販売などを提案している。F-35戦闘機の販売可能性を問う記者の質問に対し、「彼(エルドアン大統領)は欲しいものを手に入れることができるだろう」と答えた。さらに、トルコへの制裁は「非常に早く」解除でき、「良い会談になれば、ほぼ即座に制裁を解除できる」と付け加えた。
ロイター通信は、武器と貿易取引を軸に友好関係を活用しようとするトルコと、米政府の利害が一致したと分析している。
ジョー・バイデン前大統領は、トルコが北大西洋条約機構(NATO)の同盟国でありながらロシアと緊密な関係を維持している点から一定の距離を置いていた。一方、トランプ大統領はロシアに対してより友好的な姿勢を示しており、トルコは両国関係の改善を期待している。
トルコは、トランプ大統領の政権1期目時の2020年にロシア製S-400ミサイル防衛システム導入により課された制裁の解除を望んでいる。制裁が解除されれば、ロッキード・マーティン社のF-35戦闘機の購入も可能になる。トルコはかつてF-35の購入国であり製造国でもあったが、制裁により取引が中断されていた。
エルドアン大統領は会談に先立ち、F-35および40機のF-16戦闘機の追加購入交渉、防衛産業、地域紛争、エネルギー、貿易問題などについて議論する予定だと明らかにした。また、トランプ政権1期目とは異なり、現在の両首脳はシリア問題でも利害が一致している。米国とトルコは共にシリア政府を強力に支援している。
ただし、米国の同盟国であるイスラエルによるガザ地区攻撃については立場が大きく異なる。トルコはこれを「虐殺」と非難しているのに対し、トランプ大統領はイスラエルの攻撃の大半を容認している。
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