
欧州連合(EU)の中心国であるドイツが、ロシアに対してさらに強硬な姿勢を示している。フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、25日(現地時間)、ドイツはEUが凍結したロシアの資産1,940億ユーロ(約33兆9,110億円)を活用し、ウクライナへの無利子融資を支援する案を策定した。
これまで国際法上の問題や基軸通貨ユーロへの悪影響を懸念し、凍結されたロシア資産の活用に懐疑的だったドイツが、方針を転換したことになる。ドイツのフリードリヒ・メルツ首相は来月1日、デンマーク・コペンハーゲンで開催されるEU首脳会議で、ロシアの凍結資産活用案を正式に提案する予定だ。
同日FT紙に掲載されたメルツ首相の寄稿によると、凍結資産活用案の骨子は、ロシア資産を没収せず、担保として活用して資金を調達するものだという。まずEUが各加盟国の保証のもとで資金を調達し、ウクライナに無利子で融資する。将来的にロシアがウクライナに戦争賠償金を支払う際、凍結資産で融資を返済するという仕組みだ。

ロシアの凍結資産を直接ウクライナに渡す構造ではないため、法的リスクとロシアの反発を最小限に抑えられるとメルツ首相は説明している。この方式でEUがウクライナに無利子で貸し出せる資金規模は1,400億ユーロ(約24兆4,786億円)と推定される。
メルツ首相は、ウクライナが1,400億ユーロを一般予算として使用することを禁じ、軍事装備の購入にのみ使用できるよう条件を付けるべきだと強調した。これは、ロシアの時間稼ぎ戦略を無効化し、終戦と交渉の可能性を高めるためだ。また、ウクライナの軍事装備購入が結果的に欧州の防衛産業とEUの安全保障強化にもプラスの効果をもたらすとメルツ首相は見ている。
ただし、EU内でもロシアに友好的なハンガリーなどの反対が予想されるため、EUがメルツ首相の構想を実現できるかは不透明だ。これに関連し、メルツ首相はEUの全会一致が不可能な場合、ウクライナを支援した国の多数決でこの案を推進すると付け加えた。ハンガリーなど一部加盟国の反対を念頭に置いたものとみられる。
さらにメルツ首相は、米国や主要7か国(G7)に属する非EU諸国もウクライナへの無利子融資に参加させるなど、国際社会の参加を促すアイデアも提案した。
コメント0