
テスラのイーロン・マスクCEOのAI企業「xAI」が米連邦政府と契約を締結し、所属する連邦機関にチャットボット「Grok」を提供することになった。25日(現地時間)、ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、米連邦政府機関の一般調達局(GSA)は同日、xAIと契約を締結し、連邦機関がチャットボット「Grok」を1年6か月間で合計42セント(約63円)で利用できるようにしたという。
これはOpenAIの「ChatGPT」の年間使用料1ドル(約150円)よりも安価である。連邦政府は先月、OpenAIの「ChatGPT」とAnthropicの「Claude」とも類似のチャットボット契約を締結したばかりである。NYTは今回の契約金額に使用された数字42が、大麻を表す隠語「420」と、マスクCEOが好む小説『銀河ヒッチハイク・ガイド』でスーパーコンピュータが「人生と宇宙、すべての意味」という質問に対して答えた「42」に関連していると指摘した。
マスクCEOは同日の声明で、「米国のドナルド・トランプ大統領と彼のチームと引き続き協力し、AIを政府全体に迅速に導入し、国家に貢献したい」と述べた。マスクCEOは、トランプ大統領が就任した今年1月から連邦政府のコスト削減プロジェクト「政府効率化省(DOGE)」を主導していたが、その後プロジェクトから手を引き、トランプ大統領との不和説に巻き込まれた。
今回のxAI契約交渉は7月から進められており、調達局傘下の連邦調達サービス(FAS)は、マスクCEOが直接交渉に参加していないと明らかにした。xAIは7月に米戦争省ともAI契約を締結している。xAIはデータセンターやGPUなどAIインフラに巨額の資本を投入しており、ブルームバーグの報道によれば、1か月に最大10億ドル(約1,497億2,509万円)を消費しているという。
売上規模の推定は分かれており、2025年第1四半期の売上が約5,200万ドル(約77億8,580万円)に過ぎなかったとの分析がある一方、年間売上が5億ドル(約748億6,254万円)に達するとの見通しもある。しかし、公式に確認された会計資料はなく、実際の収益構造は依然として不透明のままである。
「Grok」は今年初めに自らを「メカ・ヒトラー」と称したり、マスクCEOの出身地である南アフリカ共和国で白人に対する集団虐殺が行われていると虚偽の主張をするなど、問題発言で物議を醸した。
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