
ドナルド・トランプ米大統領のYouTubeアカウント停止を巡る訴訟で、YouTubeが和解金2,450万ドル(約36億円)を支払うことで合意した。ロイター通信が9月29日(現地時間)報じた。
訴訟は2021年1月6日、トランプ大統領の支持者が大統領選結果に反発して連邦議会議事堂に乱入した事件後にアカウントが停止されたことに関連するもので、今回の合意により、YouTubeはトランプ大統領が退任直後にSNS大手3社を相手取り起こした訴訟のうち、最後に和解した企業となった。
Meta(旧Facebook)は今年1月に2,500万ドル(約37億5,000万円)、X(旧Twitter)は1,000万ドル(約15億円)の支払いで和解済みである。今回の和解金のうち、2,200万ドル(約33億円)は議会議事堂からリンカーン記念館にかけての公園や記念施設を維持・保存する非営利団体「ナショナル・モール信託基金」に寄付され、残りが共同原告に分配される。
トランプ大統領側の弁護士ジョン・P・コール氏は「トランプ大統領の再選が和解に決定的な役割を果たした。彼が再選していなければ、法廷闘争は1000年続いていただろう」と語った。
YouTubeは2021年1月の議事堂乱入直後にトランプ大統領のアカウントを停止し、暴力を扇動する恐れのある動画を削除した。その後2023年3月にアカウントを復活させている。
法律専門家は従来から、トランプ大統領の訴えには法的根拠が乏しいと指摘してきた。2022年5月には、連邦判事が旧Twitterを相手取った訴訟を棄却し、他の訴訟も棄却あるいは保留されていた。だが、昨年の大統領選でトランプ大統領が勝利したことを受け、プラットフォーム各社は和解に転じた。
米メリーランド大学ロースクールのマーク・グラバー教授は「和解には法的要素よりも政治的・経営的な判断が大きい」とし、「MetaやGoogleにとって2,000万ドル(約30億円)は、訴訟を終結させるために十分に支払う価値がある」と述べた。
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