
イスラエルはパレスチナのガザ地区ガザ市にある高層ビルを再び空爆し、ビルは完全に崩壊した。アルジャジーラやトルコのアナドル通信などの海外メディアは、28日(現地時間)に「この日、イスラエル軍は事前警告の後、ガザ市内の高層ビル『マカタワー』を空爆した」と報じた。

公開された映像には、16階建ての高層ビルにミサイル2発が命中した直後、一瞬にして崩壊する様子が捉えられている。今回の攻撃は、イスラエル軍が当該ビルからの避難を指示し、ガザ地区南部にあるアルマワシの人道支援区域への避難を警告した直後に発生した。
これに先立つ13日、イスラエル軍のアラビア語報道官アビチャイ・アドライ氏はSNSの「X(旧Twitter)」で、避難場所として指定されたアルマワシの人道支援区域に医療サービスや救援物資、テントなどが準備されたと述べ、「イスラム組織ハマスは自らの生存のために、市民が都市を離れるのを阻止しようとして嘘をついている」と主張した。
イスラエル軍が避難場所として指定したアルマワシに人道支援区域があると発表したが、英BBCは「アルマワシは建物が少なく、ほとんどが砂丘と農地で構成されている」と報じ、現地の環境が非常に劣悪であることを伝えた。

この地域に避難していたあるパレスチナ人女性はBBCに対し、「アルマワシは見捨てられた場所だ。人が住むことのできる場所ではない」と述べ、「ここに来てから水は最初の1日しか供給されず、その後10日間は供給されなかった。電気も同様だ」と語った。
イスラエルは5日、12階建ての「ムシュタハ・タワー」を皮切りに、着実にガザ市内の目立つ高層ビルを標的にしている。これは、ガザ市の民間人を南部へ避難させると同時に、ハマスに拘束されている人質全員の解放を迫る圧力をかける意図があるとみられる。

これに先立ち、今月初めにイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が空軍基地を訪問した際、映像声明を発表し、「我々は数日前の約束通り、ガザ市内のテロリストの監視塔を破壊している」と述べ、「過去2日間で空軍は50基のテロリストの監視塔を破壊した」と明かした。
イスラエル軍は高層ビルの空爆に先立ち、避難警報を発令し精密兵器を使用するなど、民間人の被害を最小限に抑える努力をしていると主張している。しかし、アルジャジーラ放送は9日、「イスラエルのガザ市占領作戦により、現時点で少なくとも50棟の建物が破壊された」と報じ、「9日だけでガザ地区全域でイスラエルの軍事作戦により少なくとも40人が死亡した」と伝えた。
28日の報道では、「この日ガザ市だけで15人が死亡し、ガザ地区全体で計36人が犠牲になった」と伝えている。2023年10月7日にハマスによるイスラエル奇襲攻撃で始まった今回の戦争で、パレスチナ人の死者が6万6,000人を超えたとの主張がある。

ハマスが統治するガザ保健省は28日の日報で、「戦争勃発以来、イスラエル軍の攻撃によるパレスチナ人の死者が6万6,005人に達した」と発表し、「同期間に16万8,162人が負傷し、死者のうち79人は過去24時間以内に病院に搬送された」と明らかにした。
ガザ保健省は死傷者の集計において民間人と戦闘員の区別をしていないが、死者のおよそ半数が女性と子どもであると述べ、国際連合などの国際機関はこの数字を信頼できる推定値とみなしている。
ハマスは2023年10月7日にイスラエルで拉致した251人の人質のうち、47人を依然として拘束中である。そのうち20人だけが現在生存しているとされる。
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