
中国は、米国による対中輸出規制強化策を悪質な行為として即座に反発した。9月19日に行われた米国のドナルド・トランプ大統領と中国の習近平国家主席の電話会談を契機に、いわゆる「融和ムード」に入った米中関係が再び悪化するのではないかとの懸念が浮上している。
9月30日、中国国営の新華社によると、中国商務部は前日に米商務省が発表した新たな輸出規制ルールの直後、「今回の措置は極めて悪質だ」と断じ、「中国はこれに断固として反対する」と強く批判したという。さらに「この規則は、米国が国家安全保障の概念を無分別に拡大し、輸出規制を乱用する典型的な事例だ」と指摘している。
特に「米国のこの措置は、関連企業の正当かつ合法的な権益を著しく損なうのみならず、国際経済・貿易秩序を揺るがし、グローバルサプライチェーンの安定を脅かすものだ」と述べ、「中国は米国に対し、この誤った行為を直ちに是正し、中国企業への不当な圧力を停止するよう求める」と強調した。その上、「中国は必要な措置を講じて中国企業の合法的権益を断固として守る方針だ」として、報復措置の可能性も示唆している。
これに先立ち、米商務省産業安全保障局(BIS)は、輸出規制リストに掲載された企業で50%以上の株式を保有する企業も自動的に制裁対象(ブラックリスト)に含める新規則を発表した。従来は、親会社が制裁リストに含まれていても、子会社が別途指定されなければ取引が可能であったが、今回の措置でその抜け道が塞がれた。
これにより、米企業は今後、輸出規制リストに掲載された企業の子会社と取引する際、必ず輸出許可を取得しなければならなくなる。これについて、ジェフリー・ケスラー商務次官(産業安全保障担当)は「長年にわたり、規制の抜け穴が米国の国家安全保障と外交政策上の利益を損なう輸出を可能にしてきた」と述べた。この規則は10月30日に官報に掲載され、60日後に発効する。
これまで、米国は中国が軍事転用可能な先端技術を入手するのを阻止するため、輸出規制を積極的に拡大してきた。この点に関して、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、トランプ政権の当局者らが、米中間の人工知能(AI)競争において米国の技術が中国企業の助けになる可能性を懸念していると報じた。
また、最近回復の兆しを見せていた米中関係が再び冷え込む可能性を危惧する声も高まっている。両国は9月14~15日にスペイン・マドリードで第4回高官級会談を開催し、「TikTok」の米国事業権売却について暫定的な合意に達した。その後、トランプ大統領と習主席は電話会談を行い、相互訪問を約束した。さらに、両首脳は10月末に韓国・慶州で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議での会談が予定されている。
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