
欧州連合(EU)は、凍結されたロシア中央銀行の資産を活用し、ウクライナに無利子融資を提供する方針を示した。その一部は欧州製の武器調達に充てられると発表した。
30日(現地時間)、ポリティコやRBC-ウクライナなどによると、 欧州連合(EU)のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長はNATO(北大西洋条約機構)のマルク・ルッテ事務総長との共同記者会見で「融資の一部を欧州製武器の調達に充て、防衛産業を強化する」と述べた。
また、融資は一括ではなく段階的かつ条件付きで実行されると説明したうえで、さらに「重要なのは、ロシア資産の没収は行わないことだ」と強調した。ウクライナが対ロシア戦争後、協議の上で返済する予定だという。融資支援の中核を担うのは、ベルギー・ブリュッセルに本社を置く中央証券預託機関(CSD)のユーロクリアだ。EU制裁で凍結されたロシア資産の大半がここに保管されている。当初は債券形態だったが、現在は現金化され、約1,400億ユーロ(約24兆3,070億円)に達していると明らかにした。
欧州委員会はこの1,400億ユーロをウクライナへの無利子融資に充てる案を推進しており、今週後半には主要7カ国(G7)財務相がこの案を協議する予定だと語った。
EUはこれまでロシアの凍結資産からの収益を活用したことはあるが、元本を利用するのは今回が初めてとなる。
フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、欧州委員会は1,400億ユーロの融資案に慎重な加盟国の懸念を払拭するため、急ピッチで調整を進めているという。フォン・デア・ライエン委員長は、欧州委員会がウクライナのドローン生産に20億ユーロ(約3,470億円)を投資することでも合意したと発表した。
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