小泉、自民党総裁選で優位に立つか

事実上の次期首相を選ぶ自民党総裁選で、早くも小泉進次郎農林水産相が優位に立ったとの見方が出ている。10月4日に行われる総裁選では、議員支持を背景に小泉氏の決選投票進出が有力視される一方、当初は高市早苗前経済安全保障担当相との二強構図が予想されていたが、林芳正官房長官の急追によって情勢が変化しつつある。
朝日新聞が10月1日に報じた情勢調査によると、小泉氏を支持する議員は72人で最多である。次いで林氏が57人、高市氏が37人、小林鷹之前経済安全保障担当相が31人、茂木敏充前幹事長が29人となっている。
自民党総裁選の第1回投票は、国会議員295票と、党員(党費を納付する日本国籍保有者)・党友(自民党の支援団体会員)票をそれぞれ50%ずつ反映する仕組みで、党員票は議員票と同数の295票に換算される。過半数を得票する候補者が出なければ、上位2人による決選投票となり、ここでは議員295票と全国支部47票が合算されるため、議員票の行方が最大の焦点となる。
今回の総裁選では、第1回投票で過半数を獲得する候補が現れる可能性は低いと見られている。小泉氏は議員票と党員票を幅広く取り込んでおり、決選投票進出は確実視されている。残る1枠を巡り、高市氏と林氏が競り合う展開だ。現時点では党員支持で高市氏が先行しているが、林氏は議員支持を急速に拡大しており、接戦となっている。
決選投票が小泉対高市の構図となった場合、林氏の支持票の多くが小泉氏に流れるとみられ、小泉氏の当選可能性が高いとの分析が有力だ。実際、小泉陣営内では「林氏が票を集めれば集めるほど、決選では有利になる」との期待もある。ただし、もし林氏が決選に進出すれば、議員票の動きが複雑に絡み合い、情勢の予測は難しくなるとの見方もある。
高市氏は、党内唯一の派閥を率いる麻生太郎前首相の支援を訴え、逆転を狙う。しかし、朝日新聞によれば麻生派所属の40人のうち、小泉氏支持が14人、高市氏支持は6人にとどまり、支持拡大は容易ではない状況だ。
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