
昨年初公開されたロシアの極超音速の新型中距離弾道ミサイル「オレシュニク(Oreshnik)」とみられる縮小模型が、偶然にも公になった。1日(現地時間)、ウクライナの軍事専門メディア「ディフェンス・エクスプレス」など現地メディアは、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領の机上にオレシュニクと思われる縮小模型が写り込んでいたと報じた。

ルカシェンコ大統領がキルギスの首相らと会談する様子を捉えた写真には、片側の机上に置かれた透明なケース内に、ミサイル発射車両の縮小模型が確認できる。ディフェンス・エクスプレスはこれを、大型ミサイル発射車両「MZKT-79291」に搭載されたオレシュニクだと分析した。特に同メディアは、ミサイル発射車両の積載能力から、オレシュニク自体の重量を40~43トンと推定した。ただし、ベラルーシ当局が戦略的にこの写真を流出させた可能性も否定できない。

これに先立ち、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、8月1日に記者団とのインタビューで「オレシュニクの初の量産品をすでに軍に引き渡しており、今年末には同盟国ベラルーシに配備する計画だ」と明かしていた。
オレシュニクはロシアが開発した極超音速の新型中距離弾道ミサイル(IRBM)だ。「ヘーゼルナッツ」を意味する名前の通り、1つのミサイル本体から発射された複数の弾頭が、それぞれ個別の標的に向かって大気圏に再突入する仕組みのミサイルである。昨年11月21日、ロシアはウクライナのドニプロ市にある軍事産業施設に向けて、このミサイルを初めて発射した。

その後、複数の弾頭から発せられる強烈な光がドニプロに降り注ぎ、衝突と同時に大規模な爆発が発生した。これについて、当時のウクライナ国防省情報総局は、このミサイルがロシアのアストラハン地方にある第4ミサイル試験場「カプースチン・ヤール」から発射され、マッハ11の速度で15分間飛行したと分析した。
国境を接している欧州はもちろん、米国までもがオレシュニクに警戒を強めている理由は、その射程が最大5,000kmに達し、ロシアから欧州や米国西部のどこでも攻撃可能だからである。特に専門家らは、オレシュニクが複数の核弾頭を搭載できるため、複数の標的を攻撃できると予測している。
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