
ロイター通信は先月30日(現地時間)、米国とフランスが宇宙空間での中国をけん制するため、2回目となる共同衛星作戦を実施する計画だと報じた。
米軍高官によれば、米国とフランスは宇宙軌道上にある軍事衛星の位置を共同で操作し変更する訓練を準備しているという。
今回の訓練は、宇宙での軍事活動を拡大する中国に対抗するとともに、同盟国間で軍事衛星を活用した偵察能力を強化する狙いがあるとみられる。米国の主要同盟国であるフランスは、欧州で最も多くの予算を宇宙分野に投入している国とされる。
今回の計画は、昨年末に実施された米仏初の衛星機動訓練、そして今年9月上旬に米国と英国が行った共同作戦に続くもので、米軍が同盟国と展開する3度目の宇宙合同作戦となる見通しだ。
宇宙の軍事的・戦略的価値が高まるなか、中国、ロシア、米国をはじめとする主要国は、衛星兵器や宇宙空間で機動可能な宇宙船の開発を進めている。そのため各国は、通信、ミサイル発射警戒、戦場情報収集といった重要任務を担う軍事衛星が、宇宙で敵国からの攻撃や電波妨害を受けるリスクへの備えも進めている。
米宇宙軍のスティーブン・ワイティング司令官は今年4月、昨年行われた米仏初の共同訓練について、両国の衛星が仮想敵国の宇宙船付近で相互接近機動(ランデブー)を行ったと明らかにしていた。
また、今年9月4日から12日にかけては、米軍の衛星が英国軍の通信衛星「スカイネット5A」の正常稼働を確認するため、約3万6,000km上空の静止軌道で接近機動を実施した。秒速約3kmで移動する中で行われたこの訓練について、英国側は「作戦能力の大幅な向上」と評価している。
米国がフランスと今回実施する共同宇宙訓練の具体的な内容については、両国とも公表を控えているとロイターは伝えている。
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