
今年1月に就任した米国のドナルド・トランプ大統領が、2028年の大統領選に再び挑戦するのではないかとの観測が浮上している。
トランプ大統領は先月、自身のSNSである「トゥルース・ソーシャル」に、前夜に行われた与野党指導部との会合の写真3枚を公開した。その写真には、トランプ大統領と共和党のジョン・スーン上院院内総務、マイク・ジョンソン下院議長(共和党)、民主党のチャック・シューマー上院院内総務、ハキーム・ジェフリーズ下院院内総務らが写っており、特に注目されたのは赤い帽子で、そこには「トランプ2028(TRUMP 2028)」となっていた。
この帽子は、現在トランプ大統領の事業持株会社である「トランプ・オーガナイゼーション」が運営する公式小売オンラインサイト「Trump Store」にて50ドル(約7,361円)で販売されている。新製品ではないものの、一部では、この文言がトランプ大統領の3選挑戦を示唆しているのではないかという疑念が持たれている。
米国憲法修正第22条には「何人も大統領職に二度を超えて選出されることはできない」と明記されており、ここでの「二度を超えて」は再任の有無にかかわらず適用されるというのが一般的な解釈である。2020年大統領選挙でジョー・バイデン前大統領に敗れ、再任には失敗したものの、その後再選を果たしたことから、トランプ大統領が2028年大統領選に再出馬することは不可能になる。

しかし、トランプ大統領は任期初期から3選への野心を露わにしてきた。3選挑戦の可能性について記者の質問に対し、「出馬したい気持ちはある」とは述べるものの、「おそらくしないだろう」といった曖昧な回答をしている。現地では、トランプ大統領が3選挑戦のために憲法改正に着手する可能性が懸念されている。
米国憲法を改正するには、議会または州政府の3分の2が改憲を発議し、4分の3の州がこれを批准しなければならないため、現実的には極めて困難であるが、私的な場では躊躇なくその意欲を示している。
3月、トランプ大統領はNBCニュースとの電話インタビューで「私は働くのが好きだ」と述べ、3選挑戦の可能性を示唆した。さらに「多くの人が私にそれを望んでいる」と述べながらも、「我々はまだ道のりが長く、政権はまだ初期段階だ」と強調した。
また、私的な場では「FDR(フランクリン・ルーズベルト前大統領)はほぼ16年間務めた。彼は4選だった」と語ったとされる。トランプ大統領が、自身の3選挑戦の可能性を示唆する帽子が写った写真を公開した背景には、政治的な意図があるとみられている。

その写真は、トランプ大統領が野党である民主党の指導部とシャットダウン(一時的業務停止)を防ぐための最後の駆け引きを行う様子を捉えたものである。これに関連して、ニューヨーク・ポスト(NYP)など米メディアは「トランプ大統領が民主党の最高指導者たちを嘲笑した」と評している。
ジェフリーズ院内総務はCNNに対し、「実際、トランプ大統領がシューマー院内総務や私に帽子を渡そうとしたわけではなかった」と述べ、「私はただその帽子を見つめており、左側に座っていたJD・ヴァンス副大統領に『これが問題にならないか』と尋ねたが、彼は『ノーコメント』と言った」と明かした。
また、当時のトランプ大統領と民主党指導部との雰囲気について、「彼(トランプ大統領)は真剣な人物ではない。共和党はこれまで真剣だったことがなく、誠実な対話に全く関心を示さない」と指摘した。さらに続けて、「ホワイトハウスでの会合以降、我々が目撃したすべての行動、気まぐれで不安定な行動を通じて、誰が実際に我々をシャットダウンに追い込んでいるのか、米国民は知るべきだ」と声を強めた。
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