ジェーン・グドール氏 講演ツアー中に老衰死
チンパンジー研究の第一人者で霊長類学の先駆者、ジェーン・グドール氏が死去した。享年91。
1日(現地時間)、ロイター通信によると、米カリフォルニア州を訪問中に老衰で亡くなった。

ジェーン・グドール研究所は「創設者のジェーン・グドール博士が10月1日、老衰で死去した。米国での講演ツアー中にカリフォルニアを訪れていた」と発表した。
1934年ロンドン生まれのグドール氏は、幼少期に『ターザン』などを読み、アフリカへの関心を深めた。1957年、友人の招きでケニアを訪れた際、古人類学者ルイス・リーキー氏と出会い、研究の道に進んだ。
1960年、グドール氏はタンザニアのゴンベ国立公園で野生チンパンジーの研究を開始した。
チンパンジーが枝を道具として用いシロアリを捕食する様子を観察し、「人間だけが道具を使用する」との従来の説を覆して世界的な注目を集めた。
1986年以降、グドール氏は環境保護活動家として生息地の破壊や密猟の実態を告発し、「私たちの未来にとって最大の脅威は無関心だ」と訴えた。
功績は国際的に認められ、2003年に英国王室からデイムの称号を授与され、2025年に米国で自由勲章を受賞した。
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