
NewsBTCなど複数の報道によると、暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(Ethereum, ETH)は短期間でアルトコイン市場の小規模な上昇局面を牽引したものの、直近では上昇モメンタムが完全に失われ、市場全体が再び慎重なムードに包まれている。主要アルトコインも停滞局面とともに再び弱含みに転じる展開となっている。
暗号資産トレーダーのダーン・クリプト・トレーズ(Daan Crypto Trades)は、イーサリアムとビットコイン(Bitcoin, BTC)の価格比(ETH/BTC)が現在「無人地帯(no man’s land)」にあると指摘。「この比率が0.041以上に戻るか、0.032付近を明確に再確認しない限り、新たな注目を集めるのは難しい」と分析した。
イーサリアムのビットコインに対する相対的な動きは、アルトコイン市場全体の健全性やビットコイン・ドミナンス(市場占有率)を判断する上で重要な指標とされている。単なる価格変動以上に市場構造を示すシグナルと見なされているためだ。
一部アナリストは、今回のモメンタム失速が短期的にはネガティブに映る可能性があるものの、長期的には市場に必要な「健全な調整」との見方を示している。ビットコインが再び流動性と買い圧力を吸収する過程は、蓄積期間(アキュムレーションフェーズ)を経て新たな上昇サイクルへ移行するための前段階である可能性があるという。
テクニカルアナリストのジオメトリック(GeoMetric)は、自身が活用する「ガウシアン・ブレイクアウト(Gaussian Breakout)」指標を基に、ビットコイン、イーサリアム、主要アルトコインが4時間足チャートでトレンド転換に成功したと指摘。「各資産がガウシアンチャンネルの中間線を維持できれば、今回の動きが本格的な反発シグナルにつながる可能性がある」と分析した。
さらにジオメトリックは、3日足を除くほとんどの中長期指標でビットコインがすでに強気転換シグナルを示しているとしながらも、「先週市場全体を襲った強制清算や投資心理の悪化は依然として影響を残しており、今後も慎重な姿勢が必要」と付け加えた。
専門家らによれば、今回の停滞は短期的なラリーの減速を意味するが、今後の方向性を左右するのはイーサリアムのビットコインに対する相対的な動きであるという。アルトコイン市場全体にとって、現在は次のトレンドを占う重要な分岐点に位置している。
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