
ドナルド・トランプ米大統領が、英製薬大手アストラゼネカと手を組み、医薬品価格の引き下げに乗り出した。
トランプ大統領は11日(現地時間)、アストラゼネカと最恵国待遇薬価協定を締結したと発表した。
トランプ大統領は「米国民が今や世界で最も安い価格で医薬品を購入できるようになる」と強調し、「この協定は米国内の医薬品コスト負担を軽減する重要な転換点だ」と付け加えた。
今回の協定により、アストラゼネカは今後5年間、米国内の研究開発と生産施設に500億ドル(約7兆5,952億4,645万円)を投資し、メディケイド患者に世界最低水準の価格を適用することを約束した。
この措置は、トランプ大統領が9月に発表した直接販売プラットフォーム「トランプRx」の延長線上にある。政府が運営する同ウェブサイトは、中間流通を排除することで医薬品価格の引き下げを狙っている。
トランプ大統領はすでに製薬大手ファイザーとも類似の協定を締結しており、ファイザーは一部の医薬品をトランプRxを通じて販売する代わりに、メディケイド薬価の引き下げに応じる形で3年間の関税免除を受けることになっている。
今回の発表は、連邦政府のシャットダウンが10日目を迎える中で行われた。
共和党と民主党は、オバマケア補助金の延長を巡り予算案で対立している。民主党は、バイデン政権下で実施された保険料支援拡大策の維持を求める一方、共和党はこれを削減し、健康保険料を引き上げる案を推進している。
専門家の間では、今回のトランプ大統領の措置が大統領選を見据えた政治的動きであり、薬価引き下げを通じた世論獲得戦略の一環だと分析している。
アストラゼネカは、抗がん剤「タグリッソ」や糖尿病治療薬「フォシーガ」で知られる世界的な製薬会社である。
同社の株価は0.60%下落し、84.53ドル(約1万2,837円)で取引を終えた。
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