
ドナルド・トランプ米大統領は12日(現地時間)、大学に対し、連邦政府が進める協定への参加と、入学政策での人種や性別の考慮を禁じる措置を求めた。
トランプ氏はSNS「トゥルース・ソーシャル」で、「米国の歴史の大半において大学は戦略的資産だったが、現在では多くの高等教育機関が「ウォーク(WOKE)」、社会主義、反米的なイデオロギーによって若者と社会を汚染している」と主張。「こうした思想は、大学が憲法や法律に違反する差別的な慣行を正当化する道具となっている」と非難した。
「ウォーク」は本来、人種差別や性差別など社会問題への「覚醒」、すなわち不公正への気づきを意味するが、米保守派の間では「進歩的価値観やアイデンティティを押し付ける行為」といった否定的な意味合いで使われている。トランプ氏は「トランプ政権は『高等教育の大改革』を通じてこれを是正していく」と述べ、「大学は集団的アイデンティティではなく、成果と勤勉さを重視すべきだ。人種や性別を根拠とした不法な差別を続ける大学に対しては、連邦法を迅速かつ断固として適用する」と強調した。
大学には、政府が推進する「高等教育における学術的卓越性のための協定」への参加が求められている。この協定に参加する大学は、入学選考や教員採用での人種・性別考慮の禁止、外国人学部生の在籍比率を15%以内に抑えることが求められるほか、SAT(大学進学適性試験)の提出義務化、授業料の5年間凍結といった条件を受け入れる必要がある。協定に署名した大学は、連邦政府からの資金援助などの優遇措置を受けられる。
今回の協定書簡は、ダートマス大学、ペンシルベニア大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)、ブラウン大学、ヴァンダービルト大学、アリゾナ大学、南カリフォルニア大学、テキサス大学、バージニア大学の計9校に送付された。ただしMITは、「科学研究への資金提供はあくまで科学的成果に基づくべきだ」として署名を拒否した。
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