
ガザ地区和平協定の調印を目的とした首脳会議に出席したドナルド・トランプ米大統領が、各国首脳に対して放った発言の数々が波紋を広げている。
米政治メディア「ポリティコ」などによると、トランプ大統領は13日(現地時間)、エジプトの紅海沿岸リゾート、シャルム・エル・シェイクで開かれた首脳会議で、演説の最中およびその前後に、20か国以上の首脳へ遠慮のない冗談を次々と口にしたという。
この日、欧州や中東などの首脳たちは、トランプ大統領の30分間の演説中、彼の背後に一列に並んで立っていた。
トランプ大統領は「なぜ彼らが立っているのか分からないが、演説は短くすると約束する」と笑いを誘った。
演説の途中、トランプ大統領はイタリアのジョルジャ・メローニ首相に向き直り、「彼女は美しい若い女性だ」と発言し、「米国では女性に『美しい』と言えば政治生命が終わるが、私は言ってみよう。美しいと呼んでも構わないか?なぜなら君は本当に美しいからだ」と続けた。
会場の一部からは笑いが起きたものの、外交の場にふさわしい発言かどうか、波紋を呼んでいる。

続いてトランプ大統領は、エマニュエル・マクロン仏大統領に「和平協定を支持してくれてありがとう」と感謝を述べた後、姿が見えないことに気づき、「エマニュエルがどこかにいるはずだが、今日は随分静かだな」と冗談交じりに話した。
また、アラブ首長国連邦(UAE)のマンスール・ビン・ザーイド・アル・ナヒヤン副大統領兼首相に対しては「彼は金持ちだ。底が見えないほどに」と発言し、各国首脳の間に苦笑が広がったという。
トランプ大統領が「英国はどこだ?」と呼びかけると、キア・スターマー英首相が慌てて駆け寄る場面もあった。
スターマー首相は発言機会が与えられると思ったが、トランプ大統領はそのまま演説を続行し、スターマー氏は気まずそうに再び後方へ下がったという。
さらに、カナダのマーク・カーニー首相を「大統領」と呼び間違え、カーニー氏が「昇進させてくれて光栄だ」と返すと、トランプ大統領は「少なくとも知事とは呼ばなかっただろう」と応じた。
トランプ大統領は大統領就任初期、カナダを「米国の51番目の州」と称し、当時のトルドー前首相を「州知事」と呼んでいたことがある。
さらにトランプ大統領は演説の中で、「特に気に入らない首脳が何人かいる。誰とは言わないが」と語り、その後、記者団に「もしかすると皆さんには誰のことか分かるかもしれない」と意味深な発言を付け加えた。
この日の会議には、英国、フランス、イタリアなど主要20か国の首脳に加え、国連のアントニオ・グテーレス事務総長、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長ら計34人の世界のリーダーが出席した。ガザ地区での停戦および恒久的和平に向けた支持を表明した。
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