
1日(現地時間)から始まった米連邦政府のシャットダウン(一時的な業務停止)が13日目に突入したが、交渉の打開策は依然として見えない。現在、米議会内で両党が史上最悪の分裂状態にあることを踏まえると、このままではトランプ政権1期目時に記録された35日間という歴代最長の政府閉鎖記録を上回る可能性があるとの見方もある。
スコット・ベッセント米財務長官は13日、フォックス・ビジネスとのインタビューでシャットダウンの状況について「事態は深刻化している」と述べ、「実体経済に影響が出始めた」と明かした。これは、強制無給休暇状態に置かれた米連邦職員を超え、一般市民にも影響が及び始めていることを意味する。
しかし、シャットダウンの影響が誰にでも等しく及ぶわけではない。民間企業やレストラン、百貨店、金融機関などは通常通り営業しているため、シャットダウンによる不便をほとんど感じていない層も存在する。一方、政府機能停止の影響は、社会的に弱い立場にある人々、特に生活保護など公的支援を必要とする層に集中している。
ワシントン・ポスト(WP)によれば、米社会保障局(SSA)の職員はシャットダウン初期に中止すべき業務リストを受け取ったが、その中にはフードスタンプ、住宅補助金、老齢年金などの受給に必要な資格確認書の発行も含まれていたという。この確認書がなければ、受給申請自体ができない。
さらに、シャットダウンが11月まで続けば、米連邦政府の「米国における補助的栄養支援プログラム(SNAP)」も中断の危機に直面する。すでにSNAPプログラムを所管する米国農務省(USDA)の食品栄養サービス局(FNS)は「10月までの予算は確保しているが、11月以降は資金が不足する」と明かしている。SNAPの受給者は米国全人口の約9%にのぼる。
フードバンクも非常事態に陥っている。もしSNAPが中断されれば、食料支援を必要とする人々がフードバンクに殺到する。しかし、連邦資金に大きく依存しているフードバンクの運営は、シャットダウンの影響で急速に悪化している。
フィラデルフィア最大級のフードバンクの一つである「シェア・フード・プログラム」は、トランプ政権発足後にすでに850万ドル(約12億8,426万円)規模の連邦支援金が削減された状態だ。同フードバンクの事務局長を務めるジョージ・マティシック氏(George Matysik)は「フードバンクの利用者は120%も増加しているのに、連邦支援金は削減され、今回のシャットダウンも追い打ちになっている。これほど倉庫が空になっているのは初めてだ」とWPに語った。
給与を受け取れない連邦職員の生活苦も深刻化している。JPモルガン・チェースなどの主要銀行は、シャットダウンの影響で住宅ローンの返済やクレジットカードの支払いに苦しむ連邦職員向けに特別相談窓口を設けた。
シャットダウン後も博物館や動物園を一般公開し続けていた世界最大級の博物館群を運営するスミソニアン協会も、12日から所属施設すべての運営を一時停止した。ワシントンを訪れる世界各国の観光客は失望することになりそうだ。
コメント0