
ガザ地区の和平交渉を仲介した米国のドナルド・トランプ大統領は、13日(現地時間)に世界30か国以上の指導者が集まる中で、仲介国とともに「ガザ地区平和宣言」に署名した。事実上「トランプ宣言」と呼ばれるものの、パレスチナ国家の樹立は除外され、またイスラム組織ハマスの武装解除やパレスチナ委員会の構成といった第2段階の停戦措置の実施については不透明であり、実質的な平和定着までの道のりは険しいと見られている。
この日、イスラエルに続いてエジプトを訪れたトランプ大統領は、保養地シャルム・エル・シェイクにてエジプトのアブドルファッターフ・アッ=シーシー大統領と共にガザ地区和平首脳会議を主催し、平和宣言に署名した。また、交渉仲介国であるエジプト、カタール、トルコの3か国の首脳も共同署名し、第1段階の停戦合意の保証人になった。
会議には、英国のキア・スターマー首相、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相など欧州主要国の首脳のほか、ヨルダン、カタールなどアラブ地域の指導者、さらにアントニオ・グテーレス国連事務総長、パレスチナ自治政府(PA)のマフムード・アッバス議長ら、30名以上の指導者が出席し、停戦支持に加わった。ただし、戦争当事国であるイスラエルとハマスはともに不参加であった。
トランプ大統領は首脳会議での演説において、イスラエルとハマスの第1段階の停戦合意が「中東を超え、世界史に記念すべき瞬間」と断言し、何度も「史上最大の合意」と強調した。さらにトランプ大統領は「共に、不可能だと言われたことを成し遂げ、ついに中東に平和をもたらした」とし、「『第三次世界大戦は中東から始まる』という言葉を何度も見かけた。しかし、賢明な行動がなされれば第三次世界大戦は避けられるだろう」と力説した。
この日の会議は、事実上トランプ大統領の独壇場になった。彼は停戦合意への署名前に各国首脳と20分以上にもわたって握手し、写真撮影を行った後、演壇に上がり、出席点呼をするかのように各国指導者を一人ひとり指名した。演説中には、20名以上の首脳が彼の背後に屏風のように整然と並んでいた。
この日、ホワイトハウスが公開した平和宣言の題名は「持続的な平和と繁栄のためのトランプ宣言」であったが、実際の戦争当事国は署名に加わらず、最終的な解決策となる「パレスチナ国家」に関する言及もなかった。宣言は「イスラエルとパレスチナ住民の基本的人権の保護と安全保障」を明記し、「中東全域の住民に対して平和、安全、安定、そして機会を保障する平和協定の履行」を公約としている。
しかしながら、ハマスの武装解除、イスラエル軍の撤退範囲と日程、ガザ地区の将来の統治体制などは未だ明確ではない。ニューヨーク・タイムズ(NYT)も「署名国の要求事項は文書上においても依然として曖昧だ」と指摘している。既にハマスは、ガザの一部地域に武装戦闘員を配備し、一部住民を裏切り者と疑い公開処刑するなど、支配権維持のための行動に出たと、ロイター通信がこの日に伝えている。
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