ロシア、リアルタイム映像送信装置を搭載した「ゲラン」ドローンで機関車を狙う

ロシア軍が映像送信装置を搭載した精密型ドローンを用い、ウクライナの主要鉄道網を集中的に攻撃していると、AP通信が15日(現地時間)に報じた。
今月初め、北東部ショストカ駅では自爆型ドローン2機が通勤列車を連続で襲撃し、71歳の男性が死亡、8人が負傷した。客車は炎上し、車体には多数の破片痕が残った。ウクライナ鉄道当局によると、過去3か月間で、国境付近の鉄道を狙ったロシアの攻撃は2倍以上に増加しているという。
「機関車だけを狙う」――リアルタイム映像送信型ドローンを投入

ウクライナ国営鉄道のオレクサンドル・ペルツォフスキーCEOは、「ロシアは精度が高いシャヘド系ドローンで個々の機関車を直接狙っている。攻撃は単なる量の問題ではなく、手法そのものが変化した」と述べた。
軍事専門家セルヒー・ベスクレストノウ氏は「ロシアは夏以降、長距離ドローンにカメラと無線モデムを搭載し、操縦者がリアルタイムで映像を見ながら進路を変更できるようになった。その結果、命中精度が大幅に向上した」と説明した。
同氏は「機関車は速度が遅く、路線が固定されているため特に脆弱だ。この攻撃ペースが続けば、線路が無事でも走らせる機関車が残らない」と警鐘を鳴らした。

国防省関係者も「回収されたゲラン型ドローンの一部から、民生用カメラや無線モデムが確認された。ロシアは新技術を試験し、改良型モデルを継続的に投入している可能性がある」と述べた。
鉄道は国内物流の63%を担う 空襲下でも運行継続

ウクライナの鉄道は国内貨物輸送の約63%、旅客輸送の37%を占め、穀物や金属の輸出、軍需補給路としても重要なインフラである。
政府によると、8月以降、鉄道関連施設に対する攻撃は300件を超え、週平均10件のペースで発生している。
空襲やサイバー攻撃が続くなか、修理チームは「1日での復旧」を目標に作業を続けている。
キーウの復旧班責任者マクシム・シェフチュク氏(30)は「ミサイルで線路12メートルが吹き飛ばされたが、半日で復旧した」と語った。
国家統計局によると、今年1〜8月の貨物輸送量は前年同期比11.7%減、旅客輸送は4.2%減となった。ただし「被害は限定的で、迅速な復旧により運行への影響は大きくない」と評価している。
経済戦略センターのナタリア・コレスニチェンコ主席専門家は「被害は明らかだが、経済全体への影響は依然として限定的だ。迅速な復旧とルート変更による回避が奏功している」と分析した。
ペルツォフスキーCEOは「我々は国民と敵の双方に、この攻撃が目的を達成できないことを示している」と強調した。
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