
人口大国インドの9月の貿易収支赤字が321億5,000万ドル(約4兆8,255億7,523万円)に達したと、MarketWatchやRTTNewsなど複数の海外メディアが16日(現地時間)に報じた。
同メディアはインド商工省の前日の発表を引用し、貿易赤字の規模が13カ月ぶりに最大に膨らんだと伝えた。
市場では貿易赤字を251億3,000万ドル(約3兆7,719億375万円)と予想していたが、実際の数字はこれを大幅に上回った。
商工省は、金や銀などの貴金属類の輸入増加に加え、ドナルド・トランプ政権がインド産輸入品に最大50%の関税を課した影響で、対米輸出が激減したことが要因だと指摘した。
エコノミストらは、貿易赤字の拡大が経常収支とルピー相場に下押し圧力をかける可能性があると分析している。
ルピー相場は現在、対ドルで過去最安値圏で推移している。
9月の輸出額は363億8,000万ドル(約5兆4,601億1,479万円)で、8月の351億ドル(約5兆2,680億520万円)を上回った。
しかし対米輸出は68億7,000万ドル(約1兆310億8,820万円)から54億3,000万ドル(約8,149億8,494万円)に減少した。繊維製品やエビ、宝飾品などが関税引き上げの影響を受けたという。
対米貿易交渉でインド側の首席代表を務めるラジェシュ・アガルワル氏は、インド産輸出品の約55%が関税50%引き上げの影響を受けたと説明した。彼はこの影響が9月から本格化したと述べた。
9月の輸入は685億3,000万ドル(約10兆2,863億781万円)で、8月の615億9,000万ドル(約9兆2,446億1,838万円)から約70億ドル(約1兆506億9,538万円)増加した。
特に金、銀、肥料の輸入が急増し、金の輸入は8月の51億4,000万ドル(約7,715億1,061万円)から9月には96億ドル(約1兆4,409億5,366万円)とほぼ倍増した。
また、原油輸入は前月の132億ドル(約1兆9,811億9,273万円)から140億ドル(約2兆1,012億6,502万円)に増加した。
インドと米国は現在、11月末までに二国間協定の第1段階和解を目指して交渉を継続している。
ただし、関税引き上げによる輸出減少は、短期的にインドの輸出業者に打撃を与えているとみられる。
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